
JR東日本が進める「羽田空港アクセス線」建設プロジェクトが大きく前進しました。先週末に実施された山手線と京浜東北線の運休を活用した大規模工事により、2031年度に予定される先行ルートの開業に向けた準備が整いつつあります。
計画では「東山手ルート」「臨海部ルート」「西山手ルート」の3本の路線が羽田空港と都心を結び、特に東山手ルートが完成すれば、東京駅から羽田空港までわずか18分での移動が可能になります。
工事では田町駅付近で山手線・京浜東北線の線路を移設し、今後は東海道線の線路も移動させて確保したスペースに新線を敷設する予定です。羽田-東京間の乗り換えが不要になるため、都心へのアクセスが格段に向上します。
同時に開業を目指す臨海部ルートでは、現在東京モノレール経由で約40分かかる羽田-新木場間が約20分に短縮されます。これにより、東京ディズニーリゾートのある舞浜駅からの空港アクセスも大幅に改善される見込みです。
2014年に構想が発表され、2023年に着工したこのプロジェクトは、東京の国際競争力強化と交通ネットワークの拡充に大きく貢献すると期待されています。
羽田空港アクセス線がもたらす新たな交通革命 利便性と課題
2023年6月に着工した「羽田空港アクセス線」は、東京駅と羽田空港を18分で直結させる画期的なプロジェクトです。2031年度の開業を目指し、約2,800億円を投じて進められているこの計画は、都心と空の玄関口の関係を大きく変えようとしています。
最大の利便性は、東京駅から乗り換えなしで羽田空港へ到達できる点です。現状の30分以上から10分以上短縮されるだけでなく、新幹線との接続性向上により地方からのアクセスも劇的に改善します。また、JR単独路線となることで運賃低減の可能性も期待されています。
一方で、既存交通機関への影響が避けられない点が大きな課題です。東京モノレールや京急線と競合しますが、モノレールは途中下車オプションや代替交通手段として、京急線は横須賀方面への接続という独自の強みで共存が模索されています。
将来的には「西山手ルート」と「臨海部ルート」も計画されていますが、2035年開業予定の蒲蒲線(かまかません)との競合など、調整すべき課題も残されています。