安倍元首相の国葬が7月に決まって以来、東京をはじめとした各所で、国葬に抗議するデモや集会が行われています。SNSやインターネット上だけに留まらず、実際に開かれているのは現地に集まる従来のデモ運動です。
19日に代々木公園周辺で行われたデモでは、台風による悪天候にも関わらず約1万3,000人もの国葬反対派が集結したとされます。デモ参加者の多くは高齢の方でした。
日本でのデモ参加者は比較的高齢の方が多いものの、若年層が中心となったデモもあります。性的少数者(LGBTQ)への差別に反対したデモに関しては、20代の若年層が中心となって開催されました。
デモの内容としては、「差別をやめろ」などと書かれたプラカードを参加者が手にし、歩道上に長い列を作るというものです。メキシコ生まれの外国人留学生は、「日本は法的にはLGBTQに差別的。選挙の投票権がない自分がこの社会を良くしたいと考えたとき、デモしかなかった」と、デモ運動について語っています。
デモ運動をすれば結果は変わるのか?
日本では珍しいデモですが、韓国やアメリカ、スペインでは大規模なデモが発生しています。中には報道されないものもあるため、我々が知っている数の倍以上はデモが開催されています。
世界中で発生しているデモ運動ですが、開催することで結果は変わるのでしょうか?実は、デモによって結果が大きく変化することは基本的にないそうです。デモの目的は「〇〇について反対している!」と主張することであり、「変化のための変化」を起こすために実施しているとされています。
つまり、デモ参加者は世間や政府にその事実を知ってもらうことが目的であり、認知してもらうことで、社会変化の可能性を見出すという心構えなのです。
日本で起こった過去のデモ運動
日本でも、過去には複数のデモ運動が行われています。代表的なデモ運動は以下の通りです。
- 1945年:米よこせ大会
- 1960年:安保闘争
- 1968年:全共闘運動大学紛争
- 1995年:沖縄県反基地運動
- 2012年:反原発運動
- 2015年:平和安全法制をめぐる動向
- 2017年:憲法改正をめぐるデモ
こうして代表的なデモを並べるだけでも、多くの運動が行われていたのがわかります。デモ運動は集団で意思を主張するデモンストレーションであり、開催するときには警察の許可を必要とします。
つまり、許可の範囲内であれば、日本でのデモ運動は認められているのです。今回の安倍元首相の国葬反対デモを含め、より身近な問題として考えていかなければなりません。