
2025年シーズンから日本プロ野球機構(NPB)が導入した「写真・動画等の撮影及び配信・送信規程」が、ファンの間で大きな議論を呼んでいます。この新たな規制では、試合中のプレーを捉えた写真や動画のSNS投稿が全面的に禁止されました。
規制の詳細を見ると、ファンはスマートフォンやカメラでの撮影自体は許可されるものの、試合進行中のあらゆる映像・画像(選手だけでなく観客やマスコットも含む)のオープンなSNSへの投稿が禁じられています。
試合終了後に限り140秒以内の動画投稿が認められるものの、それにも試合中のプレーが含まれていてはならないという厳しい条件付きです。
実質的に、ファンが撮影したコンテンツはLINEなどのクローズドなメッセージアプリでの共有のみが許可される形となりました。
この規定は「主催者が有する権利及び法益を適正に保護する」という名目で導入されましたが、ファン文化やSNSを通じた野球の普及に逆行するのではないかという懸念が広がっています。
ネット上では、「個人的には写真や5分前後の動画くらいは許可してほしいものです」「楽しみが一気に無くなり、野球への興味が薄れてきたかも」「今後どうやってプロスポーツとして存続させるつもりなんだろう」などの意見が寄せられています。
NPBの「SNS投稿禁止」規制に対する日本ハムの異例の抵抗
NPBが今季導入した試合中の写真・動画SNS投稿禁止規制に対し、北海道日本ハムファイターズが異例の抵抗姿勢を示していたことが明らかになりました。
この規制導入を受け、各球団の対応は分かれました。千葉ロッテマリーンズは2月13日、春季キャンプや練習試合については「営利目的を除く写真・動画の撮影ならびにSNS投稿に対する制限はありません」と公式発表し、ファンの不安に配慮しました。
一方、日本ハムは規約施行後も独自の解釈でファンの投稿を許容する姿勢を貫き、3月26日にNPBから改善勧告を受ける事態となりました。
日本ハムは「『主催者が承認した場合』に該当すると解釈し、ファンの球場体験をより楽しんでいただくための措置」と説明し、「NPBならびに関係各所と規程の在り方について協議したい」と食い下がりました。
しかし最終的に4月7日、「NPB側からプロ野球暴力団等排除対策協議会の顧問弁護士の見解を含む指摘を受けて」規定に沿った運用に移行することを発表しています。一球団がここまでNPBに抵抗するのは極めて異例の事態です。
業界関係者からは、現代のプロスポーツビジネスではSNSが重要な役割を果たしていると指摘する声が上がっています。