12月26日、東京・有明アリーナでのプロボクシング界の歴史的一戦にて、日本の井上尚弥選手(30)が見事勝利を収め、史上2人目となる2階級での4団体統一を果たしました。WBC・WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥選手は、WBAスーパー・IBF世界同級王者マーロン・タパレス選手(31・フィリピン)と対戦し、4回に1度のダウンを奪取した後、10回に右ストレートで再びダウンを奪いKO勝利を達成しました。
この快挙により、井上尚弥選手はテレンス・クロフォード選手(米国)に続き、史上2人目となる2階級での4団体統一王者となりました。バンタム級の4団体統一からわずか1年後の偉業達成です。
試合後、井上尚弥選手は「戦って(タパレスは)1発のパンチもありましたし、自分も非常にピリピリしながら試合を進めることができた」と述べた上で、「1つ階級を上げて、こうして4本のベルトを集めることができました」と勝利を報告しました。
井上尚弥選手、5年7ヶ月で2階級での4団体統一を達成
2階級での4団体統一は史上2人目で、テレンス・クロフォード選手は8年3ヶ月かけて達成したのに対し、井上尚弥選手は5年7ヶ月でその偉業を成し遂げています。
2023年7月にスティーブン・フルトン選手を倒し、WBCとWBOのベルトを一気に2本獲得。その後、マーロン・タパレス選手との統一戦を約束し、5ヶ月後にその約束を果たしました。
井上尚弥選手のトレーニングはこれまで以上に厳しいもので、メキシコ人のスパーリング相手4人と合計116ラウンドをこなしました。大橋秀行会長は、これが彼のキャリアで最もハードなスパーリングだったと証言しています。
海外ブックメーカーのオッズでは井上尚弥選手が有利視されていましたが、井上尚弥選手は周囲の楽勝ムードを払拭するため集中的にトレーニングを行い、全くの油断なくリングに臨みました。
フェザー級転向、そしてスーパーフェザー級へ挑戦し、海外のスター選手と戦うなどの夢が語られている一方で、井上尚弥選手は「今の適正階級はスーパーバンタム級だと思っているので、来年、再来年とまたこの階級でもっと強い姿を見せれるように精進していきたいと思います」と自身の今後を語りました。
【4階級制覇までの記録(全てKO勝ちで制覇達成)】
- 初奪取:2014年4月、20歳でWBC世界ライトフライ級王者アドリアン・エルナンデス選手(メキシコ)をプロ6戦目で破り王座獲得
- 2階級制覇:2014年12月、21歳でWBO世界スーパーフライ級王者オマール・ナルバエス選手(アルゼンチン)を8戦目で破り王座獲得
- 3階級制覇:2018年5月、25歳で世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル選手(英国)を16戦目で破り王座獲得
- 4階級制覇:2023年7月26日、スーパーバンタム級でWBC・WBO世界統一王者スティーブン・フルトン選手(米国)を破り王座獲得
無敗で2階級4団体制覇:26戦無敗、世界戦は21連勝。