
厚生労働省が提示した出産費用の無償化計画が5月14日、政府の有識者検討会で大筋了承されました。計画では、2026年度を目処に妊婦の自己負担をゼロにする方針が示されています。
現在の日本では正常分娩に公的医療保険が適用されず、代わりに政府が50万円の出産育児一時金を支給しています。しかし、実際の出産費用はこれを上回るケースが多く、地域や医療機関による費用格差も大きな課題となっていました。
今回承認された取りまとめ案では、医療機関の経営状況に配慮しつつ、全ての妊婦が経済的負担なく出産できる体制構築を目指しています。
無償化の実現方法としては、分娩を健康保険の適用対象とした上で妊婦の3割負担分を免除する案や、一時金のさらなる増額などが検討されています。
今後は厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会の医療保険部会で、保険適用となる標準的な分娩関連サービスの範囲や財源確保など、具体的な制度設計が進められる見通しです。少子化対策の重要施策として位置付けられる本計画は、出生率向上への効果が期待されています。
ネット上では、「子育てにはある程度の財力が必要なのだから、出産費用は無償化しなくていいのでは」「これが政府にできる限界だろう」「直接的な独身税のほうがいい気がするな」などの意見が寄せられています。
出産費用における地域間・施設間格差の実態
日本の出産費用には明確な地域間・施設間格差が存在しています。厚生労働省の「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」によれば、正常分娩の平均出産費用は年々上昇し、2024年上半期には約51万8,000円に達しました。
都道府県別に見ると、最も高い東京都では約62万5,000円(2023年度)、最も低い熊本県では約38万9,000円と、約23万6,000円もの差が生じています。
この格差は同一都道府県内の施設間でも顕著です。2023年4月に出産育児一時金が50万円に増額された後も、約45%の分娩では費用が一時金を上回っており、10万円以上超過するケースも全体の13%に達しています。
格差の背景には、医療機関の経営実態や地域特性があります。分娩取扱施設の調査では、医業収益の減少と費用増加により、2023年度の赤字施設割合は42.4%に上っているとのことです。
また、都市部と地方では、物価や初期投資、人件費等の違いが出産費用に反映されています。こうした状況を受け、政府は「出産なび」などを通じて費用の「見える化」を推進し、妊婦が事前に費用を把握できる環境整備を進めています。












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