
インド西部の商業都市アーメダバードで6月12日、大規模な航空機事故が発生しました。現地時間午後1時38分頃、エア・インディアが運航するボーイング787型機がロンドンへ向かう途中で墜落しました。
乗員乗客242名の大部分と地上の巻き添え被害者を含めて290名を超える死者が確認されています。
事故機は離陸からわずか数分という短時間で制御を失い、市街地の医科大学施設に激突しました。機長らによる緊急通信の発信は確認されているものの、管制塔からの交信には応答がなかったとされており、事故原因の解明が急がれています。
奇跡的に唯一の生存者となったのは、インド出身で英国在住20年の40歳男性です。機内前方の非常出口近くにある座席11Aに着席していた同氏は、家族への電話で脱出経緯について完全に記憶がないと証言しています。
悲劇的なことに、同行していた兄弟は依然として行方不明となっており、家族の苦悩は深まっています。搭乗者の国籍構成はインド169名、英国53名、ポルトガル7名、カナダ1名となっており、在ムンバイ日本総領事館は日本人の被害は確認されていないと発表しました。
モディ首相は「言葉では言い表せず、胸が張り裂けるようだ」とSNSで哀悼の意を表明し、政府を挙げた支援体制の構築を約束しています。
インド航空機墜落事故への国際的対応と現場の状況
エア・インディア機墜落事故を受けて、国際的な支援体制が迅速に構築されています。米国の国家運輸安全委員会(NTSB)は事故調査支援チームのインド派遣を発表し、連邦航空局(FAA)も技術支援の準備を整えています。
製造国としての責任を果たすため、米国側は現地当局の要請に応じて即座に専門家を送る体制を確立しました。事故現場となったアーメダバード空港は一時全便運航停止となりましたが、日本時間午後9時15分頃に運用を再開しています。
事故の波紋は国境を越えて広がっています。目的地であったイギリスでは、180万人を超えるインド系住民が深い衝撃を受けています。
ロンドンのヒンズー教施設では100名が参加する追悼集会が開催されました。特にグジャラート州出身者で構成される団体が支援活動を組織しています。
イギリスのスターマー首相は「極めてつらい状況にある乗客とご家族を心から案じている」と表明し、スナク前首相も両国の特別な絆に言及した哀悼声明を発表しました。トランプ米大統領は「できることがあれば何でも直ちに行う」とインド政府への全面支援を約束しています。