
トランプ米大統領が6月23日に発表したイスラエル・イラン間の包括的停戦協定について、その実効性に注目が集まっています。
同大統領はSNSを通じて両国が全面的な戦闘停止で合意したと明らかにし、米東部時間6月24日午前0時(日本時間同日午後1時)を皮切りに段階的な停戦プロセスが開始されると説明しました。
当初の計画では、24時間をかけて徐々に戦闘行為を縮小し、最終的に25日午前0時(日本時間同日午後1時)をもって正式な戦争終結を迎える予定でした。日本時間25日午後1時以降、中東地域の安定化に向けた新たな段階に入ることが期待されています。
日本時間25日午後1時頃の時点では、大規模な攻撃や被害状況は確認されておらず、引き続きこの停戦状態が保たれるのかどうかが注目されます。
25日午前の記者会見において、林官房長官は「わが国としてアメリカによるイスラエルとイランとの間の停戦合意の発表を歓迎しており、着実に実施に移されることを強く期待している」と述べました。
また、「国際社会とも連携し、停戦合意の着実な実施の働きかけをはじめとして必要なあらゆる外交的努力を引き続き行うとともに地域全体の邦人の安全確保に万全を期していく」と発言しています。
中東停戦後の混乱続く 攻撃効果めぐり米政権内で対立
日本時間25日午後1時の正式停戦発効を迎えた中東情勢ですが、戦闘終結後も複雑な問題が浮上しています。
トランプ大統領が発表した包括的停戦協定の実現には多くの課題が残されており、特に22日に実施された米軍によるイラン核施設攻撃の実効性をめぐって激しい論争が展開されています。
米国防情報局の初期分析によると、バンカーバスターや巡航ミサイル「トマホーク」を使用した攻撃にもかかわらず、核心的な設備の破壊には至らなかったとされています。濃縮ウランの備蓄や遠心分離機は大部分が無傷で残っており、イランの核開発計画に与えた影響は数ヶ月程度の遅延にとどまるという厳しい評価が下されました。
これに対してトランプ大統領は「史上最も成功した軍事攻撃の1つ」と反論し、核施設の完全破壊を改めて主張しています。
一方、バイデン前政権のブリンケン前国務長官は攻撃を「賢明ではなく不必要」と批判。トランプ政権1期目のイラン核合意離脱が現在の危機を招いたと指摘しました。
停戦発効後もイスラエル・イラン双方で無人機の迎撃が報告されており、両国首脳が勝利を宣言する中、真の平和定着に向けた道のりは険しいものとなっています。