国産の新型主力ロケット「H3」3号機の打ち上げに成功 「だいち4号」を予定軌道に投入

日本の宇宙開発を担う宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月1日、国産の新型主力ロケット「H3」3号機の打ち上げに成功しました。JAXAと三菱重工業が共同開発したH3は、初号機こそ失敗に終わりましたが、2号機に続き3号機も見事に成功を収めました。
種子島宇宙センターから勢いよく飛び立った3号機は、全長57メートル、重さ422トンの大型ロケットです。地球観測衛星「だいち4号(ALOS-4)」を搭載し、打ち上げから約17分後に高度約613キロで切り離して予定の軌道に投入しました。
だいち4号は、先代の「だいち2号」の後継機にあたります。総開発費約320億円をかけた先進的なレーダーを搭載しており、火山活動や地滑りなど地表面の異常を早期発見することが期待されています。
H3は今後約20年間にわたり、日本の宇宙輸送を支える大黒柱となる予定です。政府の情報収集衛星や火星探査機「MMX」、月周回有人拠点「ゲートウェイ」への物資輸送機「HTV-X」など、数々の重要ミッションを担う計画が既に決まっています。
JAXAは、H3の運用が安定した段階で打ち上げ事業を三菱重工に移管する方針です。日本の宇宙開発は民間企業の力を借りながら、新たなステージに入ろうとしています。
ネット上では、「こうやって未来に希望と夢をもたせてくれるロケット打ち上げが大好き」「これを積み重ねて更なる進化と安定性を獲得してほしい」「是非とも実績を積み上げて次のステージに上がって欲しい」など、称賛の意見が多数寄せられています。
新型ロケットH3、月や火星の探査にも活用される予定
日本の宇宙開発の未来を担う新型ロケットH3。その活躍の舞台は地球周辺に留まらず、月や火星の探査にも活用される予定です。
現在運用中の「H2A」は、今年度中に製造を終了し、2025年度以降はH3に完全に切り替わります。宇宙基本計画では、2032年度までに少なくとも22回のH3打ち上げが予定されています。
H3は、メインエンジンのみを用いた打ち上げも可能な設計です。これにより、大幅なコスト削減が期待されています。当初は3号機からこの形態での打ち上げが計画されていましたが、初号機の失敗の影響で今回は見送られました。
H3の本領が発揮されるのは、月や火星の探査計画です。来年度には月南極の探査機、再来年度には火星からのサンプルリターンを目指す探査機の打ち上げが予定されています。
国際的な月探査プロジェクト「アルテミス計画」で、日本は重要な役割を果たすことになるでしょう。H3の世界的な活躍に大きな期待が寄せられています。