秋田県のクマ被害対策で自衛隊を派遣 後方支援体制が始動

秋田県のクマ被害対策で自衛隊を派遣 後方支援体制が始動

秋田県で相次ぐクマによる人身被害を受け、小泉進次郎防衛相は11月4日の記者会見で、秋田県への自衛隊派遣を5日にも実施することを明らかにしました。派遣される陸上自衛隊は、箱わなの運搬や設置といった後方支援活動を行い、銃器による駆除には当たらない方針です。

秋田県の2025年度におけるクマによる人身被害は、10月30日時点で54人に達し、このうち2人が死亡しています。クマの出没件数も3089件に上り、昨年同期の879件から大幅に増加しており、県内の捕獲頭数は既に1352頭を超え、前年度の409頭を大きく上回るペースで推移しています。被害の深刻化は、ドングリやナラの実などクマの食料となる山の木の実が不作であることが一因とされており、クマが人里に下りてくる頻度が高まっています。

同県での猟友会による駆除活動には高齢化の影響で限界が生じており、県内市町村の要望に応える形で異例の決定に至りました。陸上自衛隊は10月30日、秋田市の駐屯地で猟友会の会員と共に、箱わなの運搬方法やクマ遭遇時の対処法などを確認しており、派遣準備はほぼ完了しています。

具体的な支援活動の内容としては、クマ捕獲用の箱わなの運搬や設置支援のほか、捕獲・駆除されたクマの輸送補助、周辺の安全確保といった業務が想定されています。支援対象となる市町村は県との調整中で、鹿角市などでは5日から活動が始まる見通しです。大館市や北秋田市でも支援に向けた調整が進められています。

自衛隊支援で期待高まる猟友会の活動

鈴木知事が自衛隊派遣を要請した背景には、県内での対応体制の限界がありました。県は職員体制を急遽整備し、10月29日には新たに26人の職員を各部署から集め、クマ対策専従チームを編成しています。

自衛隊による後方支援により、箱わなの運搬作業の負担が大幅に軽減されることが期待されており、高齢化が進む猟友会の活動がより効率的に進められるようになると見込まれています。防衛省は銃器による駆除は行わない方針を明確にしており、あくまで地元ハンターの支援に徹する体制で臨む方針です。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. トランプ氏、キューバに「取引」迫る ルビオ氏次期大統領案と石油遮断を示唆
    トランプ米大統領は11日、自身のSNSで、キューバ出身移民2世のマルコ・ルビオ米国務長官が将来キュー…
  2. 政府、ドローン国産化へ年8万台体制構築を目指す 2030年までに139億円規模の支援
    経済産業省は2030年にも、国内に年間約8万台の無人航空機(UAV)の生産基盤を確保する目標を公表し…
  3. 立憲民主党と公明党が新党「中道改革連合」を結成、次期衆院選で高市政権に対抗
    立憲民主党の野田佳彦代表と公明党の斉藤鉄夫代表は1月15日、国会内で党首会談を行い、次期衆院選に向け…

おすすめ記事

  1. 2023年12月9、10日に開催された全国矯正展の会場(東京国際フォーラム)の入口

    2024-1-22

    日本最大規模の刑務所イベント、全国矯正展とは?刑務作業を通じて届ける矯正行政の今

    2023年12月9日(土)・12月10日(日)の2日間にわたり、東京国際フォーラムにて「全国矯正展」…
  2. モー娘。北川莉央、活動休止継続を発表 12月復帰目指し準備進行中

    2025-9-12

    モー娘。北川莉央、活動休止継続を発表 12月復帰目指し準備進行中

    アイドルグループ「モーニング娘。'25」の北川莉央(21)が、当初予定していた今秋の活動再開を延期し…
  3. 「【論文紹介】 無痛分娩と オキシトシンの 使用による 児の自閉症リスク上昇 との関連」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2024-10-27

    【論文紹介】無痛分娩(分娩時の硬膜外麻酔による鎮痛)とオキシトシン(陣痛促進剤)の使用による児の自閉症リスク上昇との関連

    今回は、分娩時の硬膜外麻酔による無痛分娩で生まれた子どもが自閉症スペクトラム障害(ASD:Autis…

2025年度矯正展まとめ

2024年に開催された全国矯正展の様子

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る