
食品やエネルギーを中心とした物価上昇が家計を直撃しています。給料は上がっても物価上昇のペースに追いつかず、実質的な購買力が目減りしていると感じている方も多いのではないでしょうか。
2024年は33年ぶりとなる高水準の賃上げが実現したものの、それでも生活が楽になったという実感は薄いのが現状です。
こうした状況を受け、政府は備蓄米の放出やガソリン価格の抑制、低所得世帯への給付金など、複数の物価高対策を展開しています。
今回は、物価高の現状と家計への影響を整理した上で、政府による支援策の全容、企業の賃上げ動向、そして私たち個人ができる節約術や副収入確保の方法まで、「インフレに負けない暮らし」を実現するためのポイントを詳しく解説します。
<目次>
家計を圧迫する物価上昇と実質賃金の現実

スーパーで買い物をするたびに値上がりを実感する日々が続いています。2022年以降、エネルギー価格の高騰に始まり、食料品、日用品へと価格上昇の波が広がりました。
特に家計への影響が大きいのは、毎日の食卓に欠かせない食料品の値上げです。消費支出の約3割を占める非耐久財(食料品や光熱費など)の価格上昇は、節約の余地が限られているだけに深刻な問題となっています。
一方で賃金はどうなっているのでしょうか。2024年の春季労使交渉では、ベースアップが3.56%という33年ぶりの高い伸びを記録しました。名目上の給料は確かに増えています。
しかし、物価上昇率がそれを上回る期間が長く続いたため、実質的な購買力を示す実質賃金は減少傾向にありました。
内閣府の「2024年度 日本経済レポート」によると、ようやく2024年6月に34ヶ月ぶりに前年比でプラスに転じ、その後5ヶ月連続で増加が続いていますが、それまでの落ち込みを取り戻すには至っていません。
こうした状況は消費者の心理にも影を落としています。身近な品目の価格が上がり続けることで、「これからも物価は上がるだろう」という予想が広がり、財布の紐を締める傾向が強まっているのです。
GDPの約54%を占める個人消費は、日本経済全体の行方を左右する重要な要素です。消費者マインドの冷え込みは、景気回復の足かせになりかねない深刻な問題といえるでしょう。
政府が実施する物価高対策の全容

こうした状況に対し、政府はさまざまな物価高対策を打ち出しています。家計の負担軽減を目的とした施策は多岐にわたり、直接的な給付から税制面での優遇まで幅広く展開されています。
まず注目されるのが、生活必需品に関する直接的な価格抑制策です。米価格の高騰に対応するため、政府は備蓄米の売渡しを実施しました。
内閣府の「経済財政政策 主要な物価高対応」によれば、既に31万トンが売渡し済みで、5月以降はさらに28万トンを随意契約で放出する計画が進んでいます。
ガソリン価格についても支援が行われています。5月22日からはリッターあたり10円の定額引き下げ措置がスタートしており、11月13日からは2週間ごとに補助額を引き上げ、旧暫定税率と同水準まで抑制する方針が示されました。
収入面での支援も充実しています。低所得世帯に対しては、住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり3万円の給付金が支給されました。子どものいる世帯には1人あたり2万円が追加されています。
税制面では基礎控除の見直しによる所得税減税が実施されており、12月の年末調整から5,600万人が対象となり、1人あたり2万円以上の税負担軽減が見込まれます。
それ以外にも、高校無償化や電気・ガス料金の支援、育休給付の拡充など、政府は各支援を充実させています。私立については今後さらなる拡充が予定されているとのことです。
賃上げの波は本当に家計に届いているのか

2024年の賃上げは歴史的な水準となりましたが、その恩恵は家計にどの程度届いているのでしょうか。総雇用者所得(雇用者数×1人あたり賃金)の推移から、実態を読み解いていきます。
名目ベースでみると、総雇用者所得は着実に増加を続けています。春闘での高い賃上げ率に加え、夏のボーナスが堅調だったこと、さらに雇用者数も緩やかに増えていることが背景にあります。
しかし、物価上昇の影響を差し引いた実質ベースでは、2024年6月まで34ヶ月連続で前年を下回る状態が続いていました。ようやくプラスに転じたとはいえ、長期間にわたって実質的な購買力が削られてきた影響は大きいものがあります。
家計の可処分所得(手取り収入)についても、2022年4〜6月期以降、実質ベースで前年を下回る状況が続きました。転機となったのは2024年で、賃上げ効果に加えて定額減税や給付金の効果もあり、1〜3月期以降は前年比プラスに転じています。
こうした所得環境の改善を受け、個人消費も回復の兆しをみせています。2024年4〜6月期以降は2四半期連続で増加しました。
ただし、その内訳をみると一部自動車メーカーの出荷停止からの回復という一時的な要因も含まれており、本格的な消費回復といえるかは慎重な見方が必要です。
サービス消費については緩やかな持ち直し傾向が続いています。外食産業は売上高が増加傾向にあり、客数もコロナ禍前の水準近くまで回復しつつあります。
今日から実践できる家計防衛術と副収入のヒント

政府の支援策や企業の賃上げだけに頼るのではなく、自分自身で家計を守る工夫も重要です。物価高時代を乗り切るための実践的なテクニックをいくつか紹介します。
まず取り組みたいのが、固定費の見直しです。毎月必ず発生する通信費や保険料、サブスクリプションサービスなどは、一度見直すだけで継続的な効果が得られます。
格安スマホへの乗り換えや不要なサービスの解約は、手間は最初だけで長期的な節約に繋がるためおすすめです。
食費の節約では、まとめ買いと計画的な献立作りがカギとなります。特売日やポイント還元デーを活用し、冷凍保存を上手に使うことで、食材のロスを減らしながら出費を抑えられます。
また、「ポイ活」と呼ばれるポイント活動も物価高対策として注目を集めています。クレジットカードやスマホ決済のポイント還元を最大化することで、実質的な支出を減らすことが可能です。
複数のポイントプログラムを組み合わせる「ポイント二重取り」などのテクニックも広まっています。
副収入の確保も有効な選択肢です。本業に支障のない範囲で、スキルや時間を活かした副業に取り組む人が増えています。
例えば、クラウドソーシングを通じたライティングやデザイン、週末だけのアルバイト、フリマアプリでの不用品販売、タイミーでの短時間労働など、選択肢は多様化しています。
電気・ガス料金の節約も対策の1つであり、日常的な省エネ行動の積み重ねは確実に効果を発揮します。LED照明への切り替えや待機電力のカット、エアコンの設定温度の見直しなど、できることから始めてみてください。
物価高時代を賢く乗り切るために

物価上昇が続く中、家計を守るためには多角的なアプローチが求められます。政府の支援策を漏れなく活用しながら、日々の節約や副収入確保にも取り組むことが大切です。
2024年は33年ぶりの高い賃上げが実現し、実質所得も増加に転じるなど、明るい兆しも見えてきました。しかし消費者の財布の紐はまだ固く、本格的な景気回復には時間がかかる見通しです。
大切なのは、受け身にならず自ら行動することです。給付金や減税の情報をこまめにチェックし、家計の無駄を見直し、できる範囲で収入を増やす努力を続ける。そうした積み重ねが、インフレに負けない暮らしの土台となります。
-150x112.png)
の社名看板-150x112.jpg)

-150x112.png)


-150x112.png)





-300x169.jpg)