
2025年に東京証券取引所で上場廃止となる企業は124社に達し、前年を30社上回る2年連続の過去最多を更新する見通しです。背景には、東証が掲げる「数より質」への方針転換と、経営の自由度を求めて株式の非公開化(MBO)を選択する企業の増加があります。一方、新規上場(IPO)はグロース市場の上場維持基準の厳格化を受けて60社にとどまり、東証の上場企業数は2年連続で減少する見込みです。
124社のうち約2割にあたる26社は、経営陣が参加するMBOによる上場廃止です。物流大手の日新は、米投資ファンドのベインキャピタルと組み、中長期の成長戦略を優先するため10月15日に東証プライム市場を上場廃止しました。トナミホールディングスも日本郵便との提携によるMBOを経て、6月19日に上場を終えています。
親子上場の解消も急加速しています。イオンはイオンモールを、キユーピーはアヲハタをそれぞれ完全子会社化しました。ガバナンス上の課題が指摘されてきた親子上場ですが、投資家の視線が厳しさを増す中、市場からの退出を選ぶケースが相次いでいます。上場廃止企業の24年末時点の平均時価総額は約1090億円にとどまっており、資本効率の改善が進まない企業の選別が進んだ格好です。
こうした再編の動きは、日本株相場の押し上げ要因にもなっています。日経平均株価は2025年10月に初めて5万円の大台を突破。上場企業の質的向上と企業再編が、株高の大きな原動力となりました。
東証改革の完遂と中小型株の「淘汰」か「再生」か
東証の市場区分再編に伴う経過措置は2025年3月1日をもって順次終了し、本来の厳しい上場維持基準が適用されています。この影響で、12月時点でスタンダード市場を中心に104社が「改善期間」に入りました。
特にグロース市場では、基準を「上場後5年で時価総額100億円以上」へと大幅に引き上げる検討が進んでおり、成長期待に応えられないスタートアップは早期の退場を迫られることになります。日本取引所グループの山道裕己社長は、「上場企業の数そのものにはこだわらない。質にこだわりたい」と述べ、PBR(株価純資産倍率)1倍超の早期実現を求める姿勢を改めて鮮明にしました。
しかし、日本企業の規模は依然として米国など海外市場に比べ小規模です。運用会社からは「海外投資家の投資対象となるには、よりダイナミックな合併・買収(M&A)による規模拡大が不可欠」との声も出ています。2026年に向け、上場維持と非公開化の狭間で、日本企業の「生き残り」をかけた構造改革はさらに熱を帯びそうです。









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