
トランプ米大統領は2026年1月7日、国連気候変動枠組み条約を始め、計66の国際機関からの脱退または資金拠出の停止を指示する大統領覚書に署名しました。米国が気候変動枠組み条約から脱退するのは同条約が1994年に発効して以来、世界で初めての事例となります。対象には国連機関31と非国連機関35が含まれており、国連人口基金や国連女性機関、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、国際貿易センターなど多岐にわたる国際組織が名を連ねています。
ルビオ国務長官は声明で、脱退対象の機関が「国際統治の巨大な構造へと変質し、進歩派的なイデオロギーに支配されている」と厳しく批判しました。さらに、多様性・公平性・包括性(DEI)やジェンダー平等、気候変動政策といった要素を具体例に挙げながら、「多くの国際機関は『歴史の終焉』という幻想に基づくグローバリズムの道具となり、米国の主権を制約しようとしている」と述べています。政権側は脱退対象が「重複や非効率が目立ち、特定勢力に利用されている」ため、「米国の納税者のお金を無駄にする」と主張しています。
今回の決定に至るまでの過程は段階的でした。トランプ氏は2025年1月の就任直後に気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの脱退を発表し、世界保健機関(WHO)やユネスコからも離脱すると表明していました。その後、2月には米国が参加する全ての条約や国連機関の関係を見直すよう指示。今回の大統領覚書はその見直しの結果として、より包括的な脱退リストが確定したものです。
トランプ大統領は過去に国連の有効性についても疑問を呈してきました。2025年9月の国連総会での演説では、国連について「強い言葉の声明を書くだけで、何も実行しない」「空虚な言葉では戦争は終わらない」と痛烈に批判し、自身が就任後に複数の紛争を終結させたと強調する一方で、「本来は国連がやるべきことだったが、国連は何一つ助けようとしなかった」と述べています。
こうした「米国第一主義」を掲げた外交姿勢は、第2次トランプ政権の国家安全保障戦略にも反映されています。政権は西半球(南北アメリカ)での覇権確保を重視し、国益を最優先する戦略に注力しています。トランプ大統領は自らこれを「ドンロー主義」と呼び、19世紀のモンロー主義を現代版に発展させたものだと述べています。
気候政策への深刻な影響と国際社会の懸念
今回の脱退決定は、気候変動対策の国際枠組みに重大な影響を及ぼします。IPCCは世界の気候科学を評価する国連の専門機関であり、その脱退は科学的根拠に基づく気候政策の策定に支障をきたす可能性があります。政権はこれまで、人為的な気候変動に関する科学的合意を「でっち上げ」と否定してきており、今回の脱退はそうした姿勢の徹底化を示すものといえます。
国際社会からは、米国の多数の国際機関からの離脱が、保健・気候・安全保障など国際規範設定の過程における米国の影響力の低下をもたらす可能性があるとの懸念が出ています。同時に、中国など他国の国際的地位向上へつながることへの警戒も示されています。脱退対象の機関は既に資金難に見舞われているとの報道もあり、今後さらに対象が増える可能性も指摘されています。









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