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- 日本人のネットリテラシーは低い?AIでネットリテラシーを底上げする方法とは

みなさんは、「成長するサプリメント」があること、ご存じですか?
〇〇先生監修
近年、再生医学の進歩はすさまじく、さまざまな成長因子と成長をうながす幹細胞をぎゅっと凝縮したサプリメントが開発されたのです。
この「成長するサプリメント」を飲めば、特にどんな日本人の子どもでも身長を5㎝伸ばせるというデータがあります。実際、2024年に発表された日本人の子ども約1000人を対象とした論文でもその効果が実証されたのです!
ぜひ「もう少し背が高ければスポーツで有利なのに」「親が小柄だから子どもの将来の身長心配」というお子さんをお持ちの方は「成長するサプリメント」を飲んで、お子さんの成長を応援しましょう!
「成長するサプリメント」。実現したら非常に画期的ですよね……。しかし、現在の医学では健康な子どもの背を高くする効果が科学的に証明されたサプリ等の成分は存在しません。
また、思春期を終えて骨の端にある「骨端線」が閉じてしまった後では、どんな成分を飲んでも身長が伸びることはありません。さらに、欠乏症がなければ摂取しても過剰症などの健康リスクを引き起こしてしまう可能性もあります。
日本小児内分泌学会などの専門機関は「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解として、健康な子どもの背を高くするには適度な運動、バランスのとれた食事、しっかりした睡眠であることを以前から変えていません。これらが子どもの成長に一番役立ちます。サプリ等を使ったからといって、本来の成長以上に身長が伸びることは期待できませんと明言しているのが医学的な事実です。
それなのに、なぜ私たちはこうした広告に心を動かされ、購入してしまうのでしょうか?そこには、私たち日本人の「情報リテラシー」の課題と、これからの時代におけるAI(人工知能)との付き合い方が深く関わっているのです。
今回は、最新の調査データや研究報告をもとに、デジタル社会における情報の見極め方について、一緒に考えていきましょう。(ここから先は本当のデータです)
日本人はネットリテラシーが低い?データが示す「受動的」な国民性
「日本人はネットリテラシーが低い」という話、みなさんもニュースなどで耳にしたことがあるかもしれません。実はこれ、単なるイメージではなく、客観的なデータとして示されているのです。
読売新聞が日米韓の3カ国(各3000人)を対象に行った最新の調査によると、ネット上の情報に接した際に「一次ソース(情報の出処)を確認する」と答えた人の割合に大きな差が出ました。
- 米国:73%
- 韓国:57%
- 日本:41%
なんと、日本人は情報の出処を確認する人が4割程度しかいないのです!米国では7割以上の人が「この情報は誰が発信したのか?」を確認しているのと比べると、日本人は流れてきた情報をそのまま受け取ってしまう「受動的」な傾向が強いといえます。
AIは「冷徹な査読者」としてリテラシーを底上げしてくれる
では、どうすればこの状況を変えられるのでしょうか。個人の努力で「すべて疑ってかかれ」と言うのは簡単ですが、膨大な情報を前にしては限界がありますよね。
そこで期待されているのが、ChatGPTなどに代表される「生成AI」の活用です。実は、AIは情報の真偽を見抜くための強力なパートナーになり得るのです。
私の小児科外来にも「身長が伸びるサプリ」に関する問い合わせや、購入したけど効果はあるのか?といった問い合わせは多いため、先ほどの冒頭の宣伝内容や「子どもの身長が伸びるサプリはどれ?」といった質問を筆者がAIで検索すると即座に日本小児内分泌学会の見解等を引用し、全て「誤った記事内容です」「子どもの身長が伸びるサプリはありません」と判定しました。
人は「子どものために」という感情が入ると、どうしても判断が甘くなりがちです。しかし、AIには感情がありません。データと論理に基づいて事実を突き合わせる「冷徹な査読者」として機能してくれるのです。
実際、小児科領域の質問に対して、AIは約82.2%の精度で適切な回答ができるという研究結果もあります。
学校教育の現場でも、あえて怪しい広告をAIに分析させ、「どこがおかしいか」を論理的に指摘させる授業が、新しいリテラシー教育として有効だと考えられています。AIという「補助輪」を使うことで、私たちの批判的思考力を高めることができるのです。
AIも万能ではない・・・「ハルシネーション」の罠
「じゃあ、AIに聞けばすべて解決だ!」と思いたいところですが、ここには大きな落とし穴があります。AIもまた、完璧ではないのです。
まず知っておくべきは「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」という現象です。
AIは確率で言葉を繋いで文章を作っているため、ネット上に「サプリで背が伸びた!」という体験談が大量にあると、それを事実として学習してしまい、「効果がある可能性があります」と嘘をついてしまうことがあります。
特に子どもの健康データは大人に比べて少ないため、AIが誤った回答をするリスクが相対的に高いという報告もあります。
小児科医から~「AIを使いこなし、最後は人間が決める」新しいリテラシーへ
ここまで見てきたように、デジタル社会の情報環境は非常に複雑です。
「身長が伸びる」といった甘い言葉の裏には、商業的な意図が隠されているかもしれません。そして、私たち日本人はそうした背景を確認する習慣がまだ十分ではありません。
これからの時代に求められるのは、以下の3つのステップを踏む「新しいリテラシー」ではないでしょうか。
- 自分の弱さを知る:「自分は騙されやすいかもしれない」「感情的な広告に弱い」と自覚する。
- AIをツールとして使う:疑問を感じたらAIに「科学的根拠はある?」と問いかけ、客観的な視点を取り入れる。
- 最後は人間が判断する:AIの回答も鵜呑みにせず、出典元を確認したり、信頼できる医師や専門家に相談したりする。
AIは嘘を見抜く強力な武器ですが、それを使うのは私たち人間です。
「AIが言っていたから」と思考停止するのではなく、AIを賢く使いながら、大切な子どもたちの健康と未来を守るための「確かな目」を養っていきたいですね。
参考文献
日本小児内分泌学会. 「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解(2013年3月29日公表、2025年9月8日改定)
読売新聞の調査.日本は米・韓より「偽情報にだまされやすい」
総務省. 国内外における偽・誤情報に関する意識調査. アメリカでは「ファクトチェックの体験学習(講座等で受講するもの)」



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