迷惑系YouTuberと法的リスク〜表現の自由との線引き〜

迷惑系YouTuberと法的リスク〜表現の自由との線引き〜

近年、一部の過激なYouTuberが再生回数稼ぎのために常識外れの迷惑行為を撮影・投稿し、社会問題となっています。飲食店での悪ふざけ動画や通行の邪魔をするパフォーマンス、さらには全く面識のない通行人に対していきなりカメラを向けてインタビューしたり卑わいな質問をしたりするなど、“ウケ”を狙った行為が度を越して、周囲に被害を及ぼすケースも少なくありません。

これまでにも、公の場でバカ騒ぎをしてみたり、通行人の迷惑になるようなことをする輩は見られましたが、YouTubeというプラットフォームを通して世界に配信するというのが、現代特有の問題と言えるでしょう。こうした「迷惑系YouTuber」の行為にはどんな法的リスクが伴うのか、どこまでが「表現の自由」の範囲内と言えるのかが問われています。

本記事では、代表的な迷惑行為の種類と該当する犯罪や実際の摘発事例、憲法第21条で保障される表現の自由との関係、さらにはYouTubeなどプラットフォームの対応まで、多角的な観点から解説します。

<目次>

迷惑系YouTuberとは何者か?

カメラを向ける迷惑系YouTuberのイメージ画像

本稿で「迷惑系YouTuber」とは、他人への迷惑を省みない過激な動画で注目と再生数を稼ごうとする人々を指すことにします。

その行為は単なる悪ふざけの域を超え、社会的な問題を引き起こすこともしばしばです。たとえば、人前で大声を出したり危険なイタズラを仕掛けたりするなど、周囲を驚かせ不快にさせる行為で世間の注目を集め、話題づくりをする傾向があります。若い世代で言う“バズ”や“ウケ”を意識しているとも言えます。

こうした過激な動画が作られる背景には、(いい意味でも、悪い意味でも)話題になって、「多くの聴衆に再生されることで広告収入を伸ばしたい」という思惑がある場合や、単純に「ネットで人気者になりたい/インフルエンサーになりたい」という承認欲求から再生数を求めるケースがあり、モラルを欠いた振る舞いに及ぶケースが増えているのです。

しかし、それによって被害を受ける人がいれば道徳的な非難に留まらず、法律上の責任を問われることになり、民事上・刑事上のトラブルに発展する可能性があります。

店舗・施設での迷惑行為と刑法犯

飲食店で大量注文をして迷惑をかける迷惑系YouTuberのイメージ画像
※イメージ画像です

飲食店やコンビニなどでの迷惑動画は、店や他の客に被害を与えるため、さまざまな刑事罰に該当し得ます。代表的な例と適用される犯罪を挙げると、

器物損壊罪(刑法261条)になる行為
例:飲食店や小売店で、陳列されている商品などに唾や体液を付ける行為

窃盗罪(刑法235条)になる行為
例:スーパーで商品を会計前に飲食すれば、店に無断で財物を領得したことになり窃盗に当たります。過去、迷惑系YouTuberの「へずまりゅう」氏はスーパーの刺身を会計前に食べ、窃盗罪として刑事事件化しました。

威力偽計業務妨害罪(刑法233条・234条)になる行為
例:店員を恫喝する、行き過ぎたクレームを言う行為等。

直近の検挙例では、回転ずしチェーン店の皿の返却口に避妊具を置き、その写真をSNSに投稿した行為が偽計業務妨害に該当するとして未成年の少年が検挙されました。悪ふざけ程度の認識だったようですが、当該投稿によって一般消費者は「この店舗の衛生管理はどうなっているのか」と困惑するでしょうし、従業員らは客席や皿の清掃などの過分な業務を強いられたことになります。

また、「あそこの飲食店の厨房には虫が湧いている」「どこそこの店では賞味期限切れの材料を使って提供している」などのデマを動画上で拡散させる行為も、偽計業務妨害罪が成立する可能性があります。

建造物侵入罪・不退去罪(刑法130条)になる行為
例:店側が明確に拒んでいるのに撮影目的で勝手に入り込んだ場合や、営業目的に反して店舗内で迷惑行為を行った場合、管理者の意思に反する侵入や不退去として建造物侵入罪、もしくは不退去罪が成立します。

実際に飲食店で迷惑動画を撮った人物が、「店に来てほしくない人物」であるとして出入り禁止処分を受けたにもかかわらず、再び店舗を訪れて動画を撮影したことで、建造物侵入罪に問われた例もあります。

以上のように、店内での迷惑行為は窃盗や器物損壊、業務妨害など複数の刑法犯が成立します。「悪ふざけのつもりだったんです」というのは何の弁解にもなりません。むしろ周りの迷惑を顧みない悪質な言動であったとして、非難を強めるような事情です。

公共の場や交通における迷惑行為と処罰

道路の真ん中で踊り出す迷惑系YouTuberのイメージ画像
※イメージ画像です

道路や公園、駅といった公共の場での迷惑行為も、他人の安全や公共の秩序を乱す法律違反となります。代表的なケースとして次のようなものがあります。

道路交通法違反となる事例
道路上で許可なく物を置いたり、通行を妨げる行為は道交法で禁止されています。実際、東京・渋谷のスクランブル交差点の真ん中にベッドを置いて、寝転ぶ動画を撮影したYouTuberら7人が、道路交通法違反(道路上の禁止行為)容疑で書類送検されました。

また、京都大学近くの百万遍交差点の真ん中で、若者たちがこたつを持ち込み居座ったり拡声器をもって演説したりする等した行為が見られました。この行為は、一歩間違えれば重大な交通事故につながりかねない危険なものでした。

迷惑防止条例違反となる事例
公共の場で通行人にカメラを向けて「インタビューをさせてほしい」と言って付け回したり、卑わいな質問を投げかけたりする行為は、各都道府県の迷惑防止条例に抵触します。迷惑行為防止条例のいわゆる痴漢・盗撮と同じ扱いです。実際の身体的な接触を伴っていなかったとしても、「痴漢」に該当しえます。

ほとんどの自治体の条例には、「卑わいな言動」を禁止する条項があります。「卑わいな言動」には、「直接身体に触れる」という行為も含まれますが、その他にも「身体に触っても良いか聞く/下着の形状等を尋ねる/性的な嗜好についてしつこく聞く」といった「言」動も含まれます。

往来妨害となりうる事例
道路に物を置く、勝手に線路に立ち入る、信号無視のパフォーマンスなど交通を乱す行為は、場合によっては刑法の往来妨害罪に問われる可能性があります。たとえば、高速道路上での危険ないたずらや電車の運行を妨げる行為は、公共交通の安全を脅かす重い犯罪となります。

私が実際に目にしたケースです。私の事務所は西新宿にありますが、ビックカメラから都庁方面へ抜ける大きな道があります。業者の搬入車両もよく通る一方、飲食店も立ち並び、観光客(特に外国人)やビジネスパーソンの往来も多い区域です。もちろん歩行者天国などではありません。この道路上を午前の早い時間に若い男性7~8人がたむろしていたのです。

私はさして気に留めていなかったのですが、ある瞬間、その男性たちが急に同じ方向に向かって走り出していたのです。よく見ると、それぞれがサッカーボール(のようなもの)をもって、道路を猛スピードでドリブルしながら走っており、そのうちの一人はスマートフォンでその様子を撮影していたのでした。途中で通行人にぶつかりそうになって、「危ないなぁ」と思ったのをよく覚えています。万が一通行人と接触でもしていれば、大変な事故になっていたのではないでしょうか。

公務執行妨害の事例
迷惑行為の過程で警察官など公務員の職務執行を妨げれば、公務執行妨害罪(刑法95条)になります。

たとえば警察の職務質問を妨害したり、職務中の警察官に挑発的な妨害行為をすれば、3年以下の懲役または50万円以下の罰金という刑事罰に処され得ます。実際、韓国ではコンビニで騒ぎを起こした米国人配信者が迷惑行為で起訴されており、有罪になれば5年以下の禁錮刑もあり得ると報じられています。

また、本邦でも“警察官の目の前で白い粉(実際は小麦粉)が入った小袋を落としてみた”という、いたずら動画を撮影して投稿していたものがいました。大方、“警察官は白い粉を見れば、すぐに違法薬物だと疑ってくるのではないか、でも実際は薬物じゃありませんでした、とネタ晴らしをしたら面白いのではないか”などと考えたのでしょう。これは公務執行妨害罪としては扱われませんでしたが、偽計業務妨害罪として起訴され、罰金刑が言い渡されています。治安維持のために交番に駐在している警察官も暇なわけではありません。「わざと」疑わしい行為をして職務の邪魔をする行為は、社会全体に対する迷惑行為です。

このように公共空間での迷惑動画は「軽いノリ」のつもりでも、多くの場合は法に触れる危険な行為です。道路交通法違反など現行法で対処されるだけでなく、悪質な場合は刑法犯として扱われ、厳しい処罰を受ける可能性がある点を肝に銘じておかなければなりません。

一般人や有名人への迷惑行為の事例
他人を無断で撮影したり、突撃的に絡んだりする迷惑行為は、プライバシーや名誉に関わるトラブルを引き起こします。法律上のポイントをいくつか見てみましょう。

まず無断撮影とプライバシー侵害の問題です。公共の場であっても、本人の同意なく顔がはっきり分かるよう撮影してインターネットに公開すれば、プライバシー権の侵害に当たり得ます。日本には明文の「プライバシー保護法」はありませんが、判例上プライバシー権や肖像権が認められており、無断撮影・公開された人は民事上の損害賠償請求を起こすことができます。

実際、街中で勝手に一般人を撮影した迷惑系YouTuberの動画に対し、削除や賠償を求めるケースが増えており、許諾なく氏名や住所などを公開の動画上で明かす、インターネット上で“晒す”等の行為には不法行為が成立するとして、損害賠償が認められています。

次に有名人宅への押しかけや付きまといです。著名YouTuberの自宅を特定してアポ無しで訪問する行為、家族も含めて無断で撮影するような行為は、プライバシー侵害だけでなく迷惑行為防止条例に抵触する可能性もあります。

ストーカー規制法はつきまといや押しかけ行為を禁じていますし、住居に侵入すれば住居侵入罪(刑法130条)も成立し得ます。人気YouTuberの自宅マンションに無断侵入し、泥酔状態になって廊下で騒いだ迷惑配信者が逮捕された例もあります。

名誉毀損・侮辱となる事例もあります。他人を誹謗中傷する発言や、その人が嫌がる様子を嘲笑するような動画を公開した場合、刑法上の名誉毀損罪(230条)や侮辱罪が成立するおそれがあります。

たとえば店員や通行人に暴言を浴びせる様子を配信すれば、公共の場で人の社会的評価を低下させたとして、名誉毀損罪が問われる可能性があります。名誉毀損罪が成立すれば、3年以下の懲役または50万円以下の罰金刑が科され得ますし、被害者から民事で慰謝料を請求される場合もあります。

実際、動画内で他者の発言に対して「デマだ」「ちょっとあいつシバく」と言った行為が名誉を傷つけたとして、慰謝料の支払いが命じられた例もあります。※東京地方裁判所令和5年(ワ)第5838号

このように他人を巻き込む迷惑動画は、プライバシーや名誉に関する法的リスクが高く、場合によっては刑事事件に発展します。撮影対象となった人からすれば深刻な人権侵害であり、「面白ければ良い」という発信者の理屈は全くの独りよがりで到底通用しないのです。

憲法21条・表現の自由との関係

第21条に表現の自由との関係がある日本国憲法

迷惑系YouTuberたちは、自身の行為を「表現の一種だ」と主張することがあるかもしれません。しかし、日本国憲法第21条が保障する表現の自由にも限界があります。

憲法における表現の自由は、次のようになってます。

憲法21条1項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
※表現の自由が保障される由来は割愛します。

ここで迷惑行為にも「自由」が認められるかどうか検討してみましょう。結論から述べると、“他人の権利・利益に違反しない限り”であれば自由ですが、他人の権利を制限する/利益を侵害する場合には、表現行為に対しても規制が及びます。

YouTube上での発言であったとしても、出版や新聞などのいわゆる“オールドメディア”だったとしても、適用される法律やルールに違いはありません。“YouTubeだけ表現規制が厳しい”とか、“新聞やテレビは規制が緩い”ということはありません。

どのような媒体であったとしても、他人の権利や社会の法益を踏みにじるような行為は、たとえ自己表現のつもりでも、憲法上許される自由の範囲を逸脱しています。つまり、公共の福祉や他者の人権と衝突する表現は、媒体を問わず保護されないのです。実際、裁判所も表現の自由と他の法益の調整には、慎重かつ厳格な姿勢を示しています。

たとえば、過激な「突撃動画」で業務を妨害された自治体が、撮影差し止めを求めた訴訟では、千葉地裁が「平穏に業務を遂行する権利」を原告(自治体)側に認め、迷惑系YouTuberに対し庁舎内での動画撮影禁止を命じる決定を出しました。※千葉地裁令和2年6月25日判例地方自治466号13頁

これは表現行為よりも、公共の業務秩序維持を優先した判断であり、迷惑行為的な動画撮影が正当な表現活動とは言えない一例です。当然のことですが、どのような場合であっても撮影禁止命令が認められるわけではありません。当該事例では、「将来業務妨害行為が敢行される蓋然性が高い/利益侵害を未然に防ぐためには、事前に撮影行為を禁止する必要性がある」と認められたため、このような判決となったのでしょう。

加えて、刑法上の処罰規定(名誉毀損罪や業務妨害罪など)についても、表現内容が他者の名誉や社会秩序を著しく害する場合には、表現行為としては許されず、刑罰の対象になると判断されてきました。最高裁判所も他人の名誉(社会的・外部的評価)を貶める表現は「言論の自由の乱用」であり、「憲法が保障する言論の自由の範囲内に属すると認めることはできない」としています。※昭和31年7月4日最高裁判所大法廷判決

要するに、迷惑動画のように他人へ具体的な被害を及ぼす行為は、「表現の自由」の名の下には保護されず、法律による制裁が正当化されるのです。社会に迷惑をかけたり他者の権利を侵害したりするような表現は、憲法21条によっても守られません。表現の自由は民主主義社会に不可欠な権利ですが、それは他人の安全・尊厳を踏みにじらない範囲で尊重されるものであり、迷惑系YouTuberの過激動画はその範囲を明らかに超えていると言えるでしょう。

私見

スマートフォンでYouTubeの動画を閲覧するユーザー

このような“迷惑系YouTuber問題”が生じた理由について、あくまでも私見ですが、情報の発信者がよりミクロ単位になった(個人で全世界への情報発信が可能になった)ということに理由があるのではないでしょうか。これには2つの側面があると考えられます。

1つは、「従来からあった/地方に点在していた“問題”が表面化/全国化しやすくなった」ということです。

冒頭で触れたとおり、どんな時代でも他人に迷惑をかけてしまう人というのは実在していました。インターネットが普及する前の時代は、情報の伝達速度や範囲が限られていたため。1人の迷惑行為が全国的に広まるということは少なかったでしょう。

情報化が進んだ現代では、スマホ1つで全世界へのライブ配信が可能になりました。これにより“問題行動がより可視化されやすくなった”のではないかと思います(しかも、ライブ配信のアーカイブによってデジタルタトゥー、もとい、証拠まで残ってしまいます)

もう1つは、「個々人のコンプライアンス意識」の問題です。これは、“現代人にコンプライアンス意識が足りない”と言っているわけではありません。

「表現の自由とその制限」は、突然ポッと生まれたわけではなく、昭和30年代から平成にかけて、いくつもの事例を通してさまざまな角度からの検証・議論が尽くされ、最高裁判所による規範(ルール、線引き)が示されてきました。これらの裁判では表現の自由を主張する新聞社、出版社、テレビ局などの法人やその法務部が、使命をかけて議論・主張を繰り広げてきました。

これらの結果を踏まえて、現代の報道態勢が整えられてきたと言えるでしょう。当然ながら、これらの“オールドメディア”に、現代も問題がないとは言いきれません。

しかし、今問題となっている“迷惑系YouTuber”のほとんどは個人で活動しており、その多くが「表現の自由とそれに対する規制」について、深い洞察や知識を有しているとは思えないですし、“組織としての経験値”のようなものもありません。

その結果、表現の自由として認められる限度をやすやすと飛び越えてしまっているのではないでしょうか。いわば昭和30年代以降に繰り広げられてきた「表現の自由とそれに対する規制」を現代風に引き直し、その足跡をなぞっているだけのようにも思います。それであったとしても、迷惑YouTuberの行いについて、憲法が本来保障しようとしていた「表現」と同じように呼称して良いのか、疑問はあります。

プラットフォームの対応と法規制との違い

迷惑系コンテンツに法的措置でストップをかけるYouTubeなどのプラットフォーム

迷惑系コンテンツに対しては法的措置だけでなく、プラットフォーム側の規制も重要な役割を果たしています。

YouTubeをはじめ主要な動画プラットフォームはコミュニティガイドラインを定めており、ヘイトスピーチや個人の権利利益を侵害するコンテンツ、嫌がらせ、視聴者に危険な行為を助長するコンテンツを明確に禁止しています。例えばYouTubeでは「有害で危険な行為を助長するコンテンツ」は投稿禁止であり、発覚すれば削除やアカウント停止などの措置が取られます。

実際、迷惑行為を映した動画がプラットフォーム側によって削除される事例も増えています。最近の例では、外国人YouTuberが日本で無賃乗車やホテルの朝食の無断飲食を行った動画が批判を浴び、YouTubeのコミュニティガイドライン違反として公開から数日で削除されました。

プラットフォームは利用規約に基づき、違反行為に対して投稿削除・広告収入の停止・チャンネル凍結といったペナルティを科すことで、自主的に迷惑動画の拡散を抑制しようとしています。

このようなプラットフォーム規制と法規制には明確な違いがあります。

法規制は国家が行為者に刑罰や民事上の責任を追及するもので、違法行為があれば逮捕や起訴といった公権力の行使につながります。一方、プラットフォーム規制は民間企業による利用者との契約上の措置であり、違反コンテンツの削除やアカウント停止はあくまでサービス提供者の判断によるものです。言い換えれば、プラットフォーム側の対応は即時的かつ予防的ですが、刑事罰ではなく、公権力のような強制力があるわけではありません。

(参考)法規制プラットフォーム規制
対立の構造公権力vs市民市民vs市民
表現の自由の保護の程度比較的保護する私人間であるためやや劣る
規制する基準他人の権利利益に対する侵害が明確な場合のみ、表現行為を規制。独自のルール、判断によって表現行為(コンテンツ)の制限が可能
規制の方法民事:損害賠償を命じる刑事:逮捕や起訴⇒公的な強制力が強い民事:コンテンツの停止等刑事:なし⇒公的な強制力は△ 私的な紛争の領域

とはいえ、プラットフォームのガイドライン違反によるアカウント停止はYouTuberにとって収益源を断たれる死活問題であり、ある意味では強力な抑止力となっています。

また法律による処罰が「事後的な制裁」であるのに対し、プラットフォーム規制は「裁判手続きを経なくても、表現行為を即時停止させることができる」という面で迷惑行為を助長するコンテンツを社会から排除する役割を果たしています。

まとめ

スマートフォンのYouTubeアプリを起動したユーザー

法による規制と、民間プラットフォームによる規制は、アプローチは異なりますが、どちらも迷惑系YouTuberの行き過ぎた行為を抑え、健全な社会秩序やオンラインコミュニティを守るために欠かせないものです。

法律の遵守とモラルある発信が求められるのはもちろん、視聴者側も安易に迷惑動画をもてはやさず、違反コンテンツは通報するなど健全なネット環境づくりに協力していくことが重要でしょう。

足立直矢弁護士

投稿者プロフィール

大阪大学法学部卒,軽犯罪から重大犯罪、経済犯罪や収賄事件に至るまで幅広く担当。情状弁護,再犯事件,非行少年の弁護にも注力。時には厳しいアドバイスをすることもあり、依頼者やその家族からの信頼は厚い。

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