米軍、ホルムズ海峡で機雷除去を開始 駆逐艦が通過し新たな航路確立へ

機雷を除去するアメリカ海軍のミサイル駆逐艦

2026年4月11日、アメリカ中央軍は、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡において、イラン側が敷設したとされる機雷の除去に向けた作戦を開始したと発表しました。米海軍のミサイル駆逐艦「フランク・E・ピーターソン」と「マイケル・マーフィー」の2隻が同海峡を通過し、ペルシャ湾内で機雷掃海に向けた準備作業に着手しました。2026年2月28日に対イラン攻撃が開始されて以降、米艦船による同海峡の通過が確認されたのは今回が初めてとなります。

アメリカ中央軍のクーパー司令官は声明で、「本日、我々は新たな航路を確立するプロセスを開始した。この安全な航路を海運業界と近く共有し、自由な商取引の流れを促進したい」と述べ、封鎖状態にある海域の正常化を目指す姿勢を強調しました。米軍は今後数日以内に、水中ドローン(無人機)などの追加戦力を投入し、機雷を完全に除去するための広範な任務を継続する計画です。

今回の作戦について、トランプ大統領も自身のSNSで「日本や韓国など世界各国の協力のため、ホルムズ海峡を一掃する作業を始めている」と投稿し、国際的なエネルギー供給網の安定化をアピールしました。しかし、海峡の通過はイラン側との事前の調整がないまま行われたと報じられており、地域の緊張は極限まで高まっています。イランの革命防衛隊は、自国の領海支配を主張し、米艦船の動きに対して厳しく対応すると警告しています。

緊迫する中東情勢 イラン側の反発と食い違う主張

米軍側が機雷除去の進展を強調する一方で、イラン側のメディアや一部の地域情報筋からは、作戦が順調に進んでいるという発表とは異なる状況が伝えられています。イラン準国営のファルス通信などは、米駆逐艦が海峡への進入を試みた際、イラン軍がこれを監視し、警告を受けた米艦船が引き返したと報じました。また、イランの国営放送によれば、革命防衛隊は「進み続ければ30分以内に攻撃対象にする」という最終警告を発し、ドローンを発射して米艦を退かせたと主張しています。

これに対し、アメリカ中央軍の声明には、イラン側からの妨害や引き返しを余儀なくされた事実は記されていません。米当局者は「駆逐艦は海峡を東から西へ通過して任務を遂行した」としており、情報の真偽を巡って双方の主張が真っ向から対立しています。

ホルムズ海峡の封鎖は、世界の原油輸送に深刻な影響を及ぼしており、日本を含む多くの国々が動向を注視しています。高市首相はこれまでの国会答弁で、自衛隊による機雷除去の派遣については慎重な判断を示すにとどめていますが、米軍による「安全な航路」の確立が実現すれば、停滞している民間商船の航行再開に向けた大きな転換点となる可能性があります。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 青色LED光で骨・軟部腫瘍の増殖抑制 徳島大が新たながん治療法の確立目指す
    徳島大学大学院整形外科の研究グループが、青色LEDの光に骨や筋肉にできる腫瘍(骨・軟部腫瘍)の増殖を…
  2. 「すき家」創業の小川賢太郎氏が死去 外食最大手を築いた77年の軌跡
    牛丼チェーン「すき家」などを展開するゼンショーホールディングスの創業者で会長の小川賢太郎(おがわ・け…
  3. 日本から3作品がカンヌ映画祭コンペ入り 是枝裕和・濱口竜介・深田晃司監督作がパルムドール競う
    5月にフランスで開かれる第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に、日本から是枝裕和監督の「箱…

おすすめ記事

  1. 横須賀刑務支所に建てられた第31回横須賀矯正展(2023年10月29日開催)の看板

    2023-12-8

    横須賀矯正展とは?刑務所内のブルースティックの生産工場も見学できる

    横須賀矯正展は年に一度、横須賀刑務支所により開催される刑務所イベントで、今回で31回目。横須賀刑務支…
  2. 2023年12月9、10日に開催された全国矯正展の会場(東京国際フォーラム)の入口

    2024-1-22

    日本最大規模の刑務所イベント、全国矯正展とは?刑務作業を通じて届ける矯正行政の今

    2023年12月9日(土)・12月10日(日)の2日間にわたり、東京国際フォーラムにて「全国矯正展」…
  3. 網走刑務所で刑務作業を行う受刑者

    2025-7-21

    網走刑務所とはどんな場所?現役職員に聞いた歴史と受刑者の今

    強固な警備体制や凶悪事件の受刑者が収容されるイメージもある網走刑務所。映画やドラマなどの影響で、怖い…

2025年度矯正展まとめ

2024年に開催された全国矯正展の様子

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る