検察特捜部の取り調べ映像が証拠として法廷で再生 日本の民事裁判史上初

日本の民事裁判史上初となる、検察特捜部の取り調べ映像が証拠として法廷で再生される出来事がありました。プレサンスコーポレーションの元社長、山岸忍氏が国を相手に起こした賠償訴訟での出来事です。

山岸忍氏は2019年、大阪地検特捜部に業務上横領の疑いで逮捕・起訴されましたが、2021年に無罪判決を受けました。しかし、特捜部の違法な取り調べがあったとして、山岸忍氏は2022年3月に国家賠償請求訴訟を提起したのです。

6月11日の法廷では、検察官4人への尋問に加え、田渕大輔検事(現東京高検)による部下Aの取り調べ映像が再生されました。映像では、田渕大輔検事がAに対し、「あなたはプレサンスをおとしめた大罪人ですよ。会社から『今回の風評被害を受けて非常に大きな営業損害を受けた』とかになって、賠償できますか。10億や20億では済まないですよね。それを背負う覚悟で話していますか」と迫る様子が映し出されました。

さらに、山岸忍氏の代理人弁護団が入手した録画には、田渕大輔検事が「検察なめんなよ」と机を叩く場面もあったといいます。田渕大輔検事は法廷で、机を叩いたことについて「不穏当だった」と認めましたが、山岸忍氏の有罪性については言及を避けました。

ネット上では、「不正をただすというより手柄を立てることが目的になっていることが問題だと思う」「違法な取り調べをやって冤罪を作り上げたのは事実なんですから、全員を即刻免職した上で司法免許を取り上げるべき」などの意見が寄せられています。

取り調べ時の問題相次ぐ 「検察庁を敵視するということは反社だ」

2021年、生田尚之被告は東京地検特捜部に詐欺罪で逮捕・起訴され、取り調べ時に黙秘したところ、担当検事から「検察庁を敵視するということは反社だ」などと脅されたとして、国に賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。

全面可視化された取り調べ映像には、検事が被告に対して黙秘は損になると言い、「捜査機関がなめられたと思ったら、どうするか考えたら分かるはずや」と脅すような言動が記録されていたとのことです。

また、7月18日には横浜地検の検事が黙秘を続ける容疑者に対して、「ガキだよね」などの発言を繰り返し、黙秘権の保障の趣旨に反する違法な取り調べを行ったとして、東京地方裁判所は国に110万円の賠償を命じる判決を下しました。

この裁判では、取り調べを録音・録画した映像の一部が再生され、世間から大きな注目を浴びました。これらの事件は、特捜部の取り調べ手法に疑問を投げかけるとともに、民事裁判における証拠採用の在り方にも影響を与えそうです。

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