トルコで巨大レアアース鉱床を発見、世界3位の埋蔵量へ 中国・米国など各国と技術支援の協議

トルコで巨大レアアース鉱床を発見、世界3位の埋蔵量へ 中国・米国など各国と技術支援の協議

世界的にレアアース(希土類)の争奪戦が激化する中、トルコが経済安全保障の地図を塗り替える可能性のある巨大鉱床の発見を発表しました。中国や米国を中心に続いてきた資源獲得競争に、新たな供給源として名乗りを上げる形となります。​

トルコのエルドアン大統領は2024年10月中旬、北西部エスキシェヒル県のベイリコバ地域において、埋蔵量1250万トンのレアアース鉱床が発見されたと発表しました。トルコ当局者はNikkei Asiaの取材に対し、オーストラリアの鉱石埋蔵量合同委員会(JORC)からの認定取得に向けた申請手続きを行っていると説明しています。​

米国地質調査所(USGS)のデータによると、この埋蔵量が確認されればトルコは中国(4400万トン)とブラジル(2100万トン)に次いで世界第3位のレアアース埋蔵国となる見通しです。​

ベイリコバ地域内の310カ所からサンプルを採取した結果、総資源量は6億9400万トンに達することが判明しました。トルコ当局はまだ資源中のレアアースの正確な量や内訳を明らかにしていないものの、酸化セリウムなど10種類が検出されたと主張しています。​

付加価値生産を目指し世界各国と協議

トルコのバイラクタル・エネルギー天然資源相は、技術支援国を見つけるため中国、米国、欧州、カナダ、そしてオーストラリアと協議を行っていると明らかにしました。

レアアースは電気自動車(EV)のモーター、風力発電機、スマートフォン、防衛装備など多岐にわたる産業で使用される戦略物資です。中国は世界のレアアース生産量の約6~7割を占め、精錬工程においては世界シェアの9割以上を支配する圧倒的な地位を確立しています。​

こうした中国への過度な依存は、欧米や日本にとって経済安全保障上の重大な脆弱性と認識されてきました。実際に2025年4月には、中国が一部のレアアースの輸出管理を強化したことで、日本を含む自動車メーカーが部品不足に陥り、一部工場で生産停止に追い込まれる事態も発生しています。​トルコの鉱床発見は、こうしたレアアース供給網の多様化を求める各国にとって重要な選択肢となる可能性があります。

トルコは単なる鉱石の採掘国にとどまらず、精錬や加工を含めた完全な産業チェーンの確立を目指しています。同国はレアアース鉱山地域で見つかった17種類の元素のうち10種類を生産できるとしており、年間1万トンのレアアース酸化物の生産を計画しています。​

過去にはエルドアン大統領自身が2019年に来日し、経団連との懇談で「レアアースとベースメタルの分野に日本からさらに投資してほしい」と呼びかけた経緯もあります。今回の巨大鉱床発見により、トルコと日本企業との協力関係がさらに深まる可能性が注目されています。​

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