
自民党の石破茂首相(総裁)が参院選大敗の責任について「しかるべき時に決断する」と述べ続投意向を示したことを受け、党内で総裁選前倒しを求める動きが加速しています。特に麻生太郎最高顧問が3日、横浜市で開いた麻生派会合で「前倒しを要求する書面に署名し、提出する」と明言したことで、「石破おろし」に新たな局面が生まれました。
石破首相は2日の両院議員総会で「選挙は最終的に、当然のことでありますが総裁たる私の責任であります」と陳謝したものの、自身の進退については明確な時期を示さず続投への意欲を示しました。これに対し、党内では森山裕幹事長、小野寺五典政調会長、鈴木俊一総務会長、木原誠二選対委員長の党四役が相次いで辞任の意向を表明し、政権の求心力低下が顕著になっています。
麻生氏の参戦は情勢を大きく変える可能性があります。首相経験者として党内で強い影響力を持つ麻生氏が態度を鮮明にしたことで、43人の麻生派の大半が前倒しに賛成する公算が大きくなりました。また、派閥外への影響も予想され、「石破おろし」の動きが一気に拡大する可能性が高まっています。
政府内からも前倒し支持が相次いでいます。穂坂泰デジタル副大臣がブログで実施賛成を表明したほか、高村正大法務副大臣もフェイスブックで前倒しを求めると宣言しました。石破内閣の副大臣や政務官から10人を超える議員が総裁選前倒しに賛成の意向を示しており、政権内部からの造反が深刻化しています。
総裁選前倒しの行方は、9月8日に決まる予定です。党所属国会議員295人と都道府県支部連合会の代表47人の過半数にあたる172人以上の要求があれば、臨時総裁選が実施されます。逢沢一郎総裁選挙管理委員長は2日、手続きを開始し8日に要求数を確認すると表明しました。
現在、各都道府県連の動向も注目されています。兵庫や新潟など少なくとも10の県連が前倒しに賛成する方針を固めており、地方からの突き上げも強まっています。一方、石破首相側は「世論の声と自民党議員の考えが乖離していいのか」と反発を示しており、党内の対立が深刻化している状況です。
石破首相は総裁選前倒しの動きを受けて、今週中に新たな経済対策を関係省庁に指示する方向で検討に入りました。参院選の公約だった2万円給付案について、所得制限を設ける方向で検討される見通しです。8日の意向確認を待たずに経済政策で巻き返しを図る狙いとみられています。
政権運営の困難さが浮き彫りに
党四役の一斉辞任は石破政権にとって大きな打撃となっています。森山幹事長は党務の最高責任者として資金や人事、国会対策を統括し、小野寺政調会長は政策立案と政府との調整を担う要職、鈴木総務会長は党内合意を形成する最高意思決定機関の調整役、木原選対委員長は選挙戦略を統括する司令塔の役割を果たしてきました。
これら中枢ポストが同時に空白化することで、党運営の統治機能が一時的に麻痺状態に陥る可能性があります。石破首相は「余人をもって代えがたい」として森山幹事長の慰留を図っていますが、党内基盤の弱体化は否めない状況です。
麻生氏は周辺に対し「このまま行けばあらゆることが詰んでいく」と漏らしているとされ、石破政権への不信を強めています。野党の協力は得られず政権は立ち往生し、参院選後に上昇している内閣支持率も早晩右肩下がりになるとの見方を示しているといいます。












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