民間人による世界初の宇宙遊泳が実現 米国の富豪実業家たち

民間人による世界初の宇宙遊泳が、9月12日に実現しました。この快挙を成し遂げたのは、米国の富豪実業家ジャレッド・アイザックマン氏と、宇宙開発企業スペースXのエンジニア、サラ・ギリス氏です。

宇宙遊泳は、宇宙空間での活動の中でも特に危険が伴うとされています。ジャレッド・アイザックマン氏とサラ・ギリス氏は、特別仕様の宇宙服に身を包み、英国夏時間12日午前11時52分から約15分間隔で、宇宙船「ドラゴン」の外に出ました。

この様子は生中継され、青い地球を背景に2人が宇宙空間に浮かぶ姿が映し出されました。ジャレッド・アイザックマン氏は手足をくねらせて宇宙服の状態を確認し、サラ・ギリス氏は船外での宇宙服の機能を説明するなど、貴重な体験を伝えています。

「ドラゴン」は9月10日、スペースXのロケット「ファルコン9」で打ち上げられ、最大高度1,400kmまで到達。これは1970年代のNASAのアポロ計画以来、有人宇宙船としては最も地球から遠い地点であるとのことです。

地球を見下ろしたジャレッド・アイザックマン氏は、「ここから見る地球は間違いなく完璧な世界に見える」と感想を述べました。これまで宇宙遊泳を経験したのは、政府主導の宇宙開発機関の宇宙飛行士のみでした。

民間人による宇宙遊泳の成功は、宇宙開発の新たな扉を開くものとして注目されています。今後、より多くの人々が宇宙を身近に感じられる時代が訪れるかもしれません。

ミッション名「ポラリス・ドーン」 アイザックマン氏が資金提供

9月10日、スペースXのロケット「ファルコン9」が、米国の富豪ら4人を乗せた宇宙船を打ち上げました。このミッションの名は「ポラリス・ドーン」。資金提供者は、クルーの1人でもあるIT起業家のジャレッド・アイザックマン氏です。

英オープン大学のシメオン・バーバー博士は、今回の宇宙遊泳は国際宇宙ステーション(ISS)などが行ったものとは「まったく異なるアプローチ」だと語りました。また、「これは本当にエキサイティングで、スペースXが従来と異なるやり方を恐れていないことを、改めて示していると思う」とコメントしています。

ただし、宇宙船や宇宙服は規制対象外で、今回の環境下での機能テストは実施されていません。宇宙遊泳は最も難しい活動のひとつであり、民間企業による成功は歴史において画期的な出来事といえるでしょう。

ジャレッド・アイザックマン氏らは、真空状態の宇宙空間に同時に滞在した人数の最多記録も更新しています。米富豪であるイーロン・マスク氏ら起業家は、「より多くのアマチュア宇宙飛行士が宇宙へ行けるよう、民間宇宙飛行の規模を拡大したい」と考えています。

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