政府は予定通り、2024年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと統合した「マイナ保険証」に移行する方針を固めました。マイナ保険証への移行は問題ないと判断されています。
この方針は12日、岸田首相の「マイナンバー情報総点検本部」での発表を通じて明らかになりました。岸田首相は「保険証の廃止は、国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提だ」と強調し、安全措置の実施を条件に廃止時期を決定する方針を示しています。
6月に発足した総点検本部は、マイナンバーに関連する問題点を調査しています。10月までの点検では、マイナ保険証で8,544件、障害者手帳で3,063件のひも付けの誤りが確認されました。政府はこれらの問題を解決し、再発防止策を講じた上で国民の理解を求める方針です。
来秋の保険証廃止後も、最長1年間は現行の保険証が利用可能とされ、マイナ保険証を取得していない人には「資格確認書」が発行されます。ネット上では、「マイナカードで事足りるんだから免許証も保険証も廃止でいいでしょう」「健康保険証の廃止を歓迎します」「保険証の廃止には断固として反対」など、賛否の意見がみられました。
暗証番号なしの「顔認証マイナカード」の受付開始
政府は来秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードへの統合を予定しています。これに伴い、高齢者や障害者を対象に「暗証番号なし(顔認証)マイナカード」の受付が開始されました。この新しいカードは保険証の機能に限定され、暗証番号管理の必要がありません。
松本剛明総務相は15日の閣議後会見で、「一人でも多くの方に安心してカードを取得し、利用していただくための環境の整備を着実に進めたい」とコメントしました。
顔認証マイナカードは医療機関で受診する際、カードリーダーの顔認証や受付職員の目視だけで保険証として利用できます。ただし、マイナポータルやコンビニでの証明書交付など、マイナカードにおける他の機能は使用できません。
また、申請は本人または代理人が市区町村窓口で行う必要があり、マイナ保険証の初回登録をしていることが前提条件となります。新設された顔認証マイナカードを含め、さまざまな新しい保険証の誕生を疑問視する声があがっています。