KDDI「au Starlink Direct」対応機種を大幅拡大 過去モデル含む62種超に

KDDIは15日、衛星を経由したスマートフォン向け直接通信サービス「au Starlink Direct」について、Samsung GalaxyやGoogle Pixel、Xperiaシリーズなど計35機種を新たに対応機種に加えると発表しました。
これにより既存のiPhoneシリーズと合わせ、過去に販売された端末を含めて62種類以上のスマートフォンで衛星通信が可能になります。
同サービスは2025年8月に世界で初めて衛星経由のデータ通信を実用化したもので、従来の携帯電話ネットワークが届かない場所でも、上空に遮蔽物がなければ通信が確立できる点が特徴です。
日本国内の携帯電話事業者による人口カバー率は99.9%を超える水準に達していますが、地形的な制約により国土面積でのカバー率は約6割程度に留まっています。残る4割の地域では、従来の基地局整備が地理的・経済的に困難とされてきました。
対応機種の展開は段階的に実施されます。15日時点ではSamsung Galaxy S25とS25 Ultraが利用可能となり、10月下旬以降はGalaxy S24/S23シリーズ、折りたたみ式のZ FlipやZ Foldシリーズ、Google Pixelの最新世代、国内メーカーのXperia、AQUOS、arrowsなどが順次対応予定です。
山間部や離島での活用に期待 他社契約者も利用可能な開放性
「au Starlink Direct」が提供する機能は多岐にわたります。基本的なメッセージの送受信や位置情報の共有に加え、気象庁が配信する緊急地震速報の受信、AI技術を活用した相談サービス、対応アプリケーションでのデータ通信などが利用できます。
これらの機能は既存の携帯電話網と衛星通信を組み合わせることで、都市部から山岳地帯、離島に至るまで切れ目のない通信環境の実現を目指すものです。
特に注目されるのは山間部や島しょ地域での活用可能性です。登山者が遭難時に救助要請を送信したり、離島住民が日常的な連絡手段として使用したりするケースが想定されています。
また、災害発生時に地上の通信インフラが損傷した場合でも、衛星経由での情報伝達が可能となるため、防災面での貢献も期待されています。
サービスの利用条件について、KDDIは自社回線契約者だけでなく他社の回線を使用している顧客にも門戸を開いている点が特徴です。この開放的な運用方針により、通信事業者の枠を超えた社会的インフラとしての役割が見込まれます。








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