トランプ氏のTwitterアカウントが復活 本格復帰しない経済的な理由とは?

Twitterを買収し、最高経営責任者となったイーロン・マスクは20日、自らのアカウントでトランプ氏復活の是非を問うアンケートを行いました。1,500万以上の票が集まり、「Yes」が半数を上回ったとして、永久停止となっていたトランプ氏のアカウント復活が決定。

しかし、当のトランプ氏は「Twitterで復活する理由がない」と、復活をあまり喜んでいない様子です。その理由は、トランプ氏自らが自社メディアを立ち上げているためだとされています。

トランプ氏は2021年にTwitterのアカウントが永久凍結されると、同年2月に「TwitterやFacebook、YouTubeといった従来のソーシャルメディアに挑戦するための代替メディアを提供する」という名目で、「トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)」を設立しました。

トランプ氏が設立したTMTGと自前のSNS「Truth Social」

トランプ氏はTMTGを通じて、自前のSNS「Truth Social(トゥルース・ソーシャル)」とオンデマンド動画配信サービス「TMTG+」を開設しました。トランプ氏自身の政治的な発言権を得るという目的もあるのかもしれませんが、自前のSNSを立ち上げたのは「新たな収益源の確立」が理由だとされています。

さらに、TMTGは2021年10月に特別買収目的会社の「Digital World Acquisition Corp.」と経営統合し、上場を目指す合併契約を締結したと発表しました。トランプ氏の会社であるTMTGの利益を拡大させる、あるいは会社を上場させる場合、似たようなビジネスを手掛けるTwitterとは商売敵になる可能性があります。

つまり、トランプ氏が本格的にTwitter復活を果たすと、自前のSNS「Truth Social」の事業価値を低下させてしまうことから、アカウントが復活しても安易に利用できないという背景があるのです。

そのため、トランプ氏のTwitterアカウントが復活しても、自前のSNSに誘導する投稿はあっても本格的な復帰はまずないだろう、と予想されています。

ただし、「Digital World」との合併期限は最長で2023年3月8日までとされており、それを過ぎると「Digital World」は上場で調達した資金を株主に返還しなければなりません。したがって、経営統合によってTMTGの上場がなし得なかった場合、トランプ氏自前のSNSを閉鎖し、影響力が強いTwitterに復帰する可能性も0ではないと言えるでしょう。

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