
日本政府は、南米の沿岸部や排他的経済水域(EEZ)内で違法な操業を繰り返す中国の遠洋漁船団への対策として、エクアドル、ペルー、アルゼンチン、ウルグアイの4カ国に対し、海上保安能力の強化を支援する方針を固めました。具体的には、広大な海域を効率的に監視するためのドローンや、現場での取り締まり活動に使用するゴムボートなどの機材供与を想定しており、国連薬物犯罪事務所(UNODC)を通じて実施される予定です。この国際的な支援活動に向け、外務省は2025年度補正予算に3億円を計上しました。
支援対象となる南米の海域では、中国漁船による活動が年々活発化しており、沿岸国は警戒を強めています。特にエクアドル領のガラパゴス諸島周辺は、世界有数の豊かな生態系を持つ海域ですが、ここに中国の大規模な船団が集結しています。これらの船は、自船の位置を知らせる全地球測位システム(GPS)を切断して航行するなど、意図的に位置情報を隠蔽している疑いがあります。船団は季節に合わせて移動し、南下してペルー沖に進出した後、さらに大西洋側のアルゼンチンやウルグアイ周辺の海域でも確認されています。
こうした不透明な活動は、乱獲による水産資源の枯渇につながりかねない「違法・無報告・無規制(IUU)漁業」の疑いが持たれているほか、海底地形などの海洋データを軍事目的も含めて収集している可能性も指摘されています。2017年8月には、ガラパゴス諸島の海洋保護区内で違法操業していた中国船から、絶滅が危惧されているシュモクザメを含むサメ約6600匹が見つかったことも報告されており、環境への影響は深刻です。地理的には日本から遠く離れた南米ですが、中国による一方的な海洋進出に対して危機感を共有し、国際的な監視網を構築することで、法の支配に基づく海洋秩序の維持を図る狙いがあります。今回の支援では、ドローンで撮影した画像データを解析し、船籍や船員数、詳細な運航海域を特定するための機材導入も後押しする計画です。
日本周辺での教訓生かす 人権侵害対策で東南アジアとも連携
中国漁船による違法操業への対応は、日本にとっても喫緊の課題と共通しています。日本海の好漁場である大和堆では、中国船による違法操業が常態化しており、三陸沖まで進出して日本の漁船を威嚇するケースも確認されています。日本は、自国の海域で培った取り締まりや監視のノウハウを南米諸国と共有し、同様の問題に苦慮する国々との連携を深める方針です。
また、南米で活動する違法漁船では、乗組員に対する深刻な人権侵害も懸念されています。船内には冷暖房が完備されておらず、過酷な環境下で長時間労働を強いられているとの指摘があります。外務省によると、こうした船員の多くは東南アジアの出身者だとされています。日本政府は、今回の支援を通じて乗組員の人権保護にも貢献するとともに、日本の同志国が多く存在する東南アジアとの関係強化にもつなげる意向です。









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