TBSホールディングス、米レジェンダリー社へ240億円出資で日本発コンテンツの世界展開を加速

TBSホールディングス、米レジェンダリー社へ240億円出資で日本発コンテンツの世界展開を加速

TBSホールディングスは1月16日、ハリウッドの大手映画製作会社「レジェンダリー・エンターテインメント」と戦略的パートナーシップを締結したと発表しました。この提携により、TBSホールディングスは完全子会社「THE SEVEN US」を通じて、レジェンダリー社が実施する第三者割当増資を1億5000万ドル(約240億円)の規模で引き受けます。​

今回の資本業務提携は、日本の民間放送局がハリウッドの製作会社に対して大型出資を行う初めてのケースとなります。TBSホールディングスの出資比率は過半数未満の少数持分にとどまり、既存株主であるレジェンダリー経営陣およびアポロ・グローバル・マネジメントの関連ファンドが引き続き対等な支配株主として経営権を維持します。​

レジェンダリー・エンターテインメントは、「DUNE/デューン 砂の惑星」シリーズや「モンスター・ヴァース」(ハリウッド版ゴジラとキングコングを中心とした怪獣映画のシェアードユニバース)など、数々の世界的ヒット作品を手がけてきたスタジオです。2025年4月に全世界で公開された「マインクラフト/ザ・ムービー」は、北米公開初週末3日間で1億5700万ドル(約240億円)を記録し、ゲーム原作映画としては歴代最高のオープニング成績を達成するなど、同社が手がけた映画作品の世界累計興行収入は約200億ドル(約3兆円)規模に達しています。​

TBSホールディングスとレジェンダリーは、今後、日本発の知的財産(IP)を原作とした映像作品を複数本、継続的に共同企画・開発することで合意しました。両社の提携により、レジェンダリーが持つハリウッド水準の開発・制作・マーケティングのノウハウと、TBSグループが日本市場で長年培ってきたクリエイターや出版社との信頼関係・IP開発力を融合させることが狙いです。なお、今回の提携は独占権を付与するものではありません。​

今回の提携で実務的な中核を担うのが、TBSグループの海外戦略スタジオ「THE SEVEN」およびその米国拠点である「THE SEVEN US」です。THE SEVEN USは2025年10月にロサンゼルスに設立され、同年12月には約280億円規模の増資を受けており、今回のレジェンダリーとの連携においても、これらのリソースを最大限に活用し、コンテンツ投資と共同開発を推進する構えです。​

TBSホールディングスは既に、米ネットフリックスで配信されているドラマなどの製作に携わっており、2022年11月にはNetflixと5年間の戦略的提携契約を締結しています。国内事業の成長鈍化が見込まれる中、TBSグループは長期ビジョンとして自社コンテンツの海外展開および制作能力の国外拡張を掲げており、今回のレジェンダリーとの提携は、自社のコンテンツや知的財産を世界展開すべくコンテンツ制作能力を国外へ広げるという戦略の重要なステップとなります。​

両社トップが期待を表明

TBSホールディングス取締役で成長戦略担当CGO(最高成長責任者)を務める中谷弥生氏は、「世界最高峰のコンテンツスタジオであり、数々の歴史的ヒット作を生み出してきたレジェンダリーという、素晴らしいパートナーを迎えられることを心から嬉しく思います。レジェンダリーの持つ圧倒的なクリエイティビティと、IPを世界的な超大作シリーズへ構築・拡大する力は、我々が掲げる海外戦略においてこれ以上ない強い力となります」とコメントしています。​

さらに中谷氏は、「TBSグループの海外戦略スタジオ『THE SEVEN』、また、昨年約280億円の増資をした『THE SEVEN US』を軸として、更なるコンテンツ投資も含め、TBSグループのクリエイターの力で、グローバル市場にコンテンツを共同開発・製作してまいります」と今後の展望を述べました。​

一方、レジェンダリーのCEOであるジョシュ・グロード氏も、「TBSは何十年もの間、出版社からアニメーター、作家、アーティストに至るまで、日本のクリエイティブコミュニティにおいて中心的な役割を果たしてきました。日本市場におけるTBSの立ち位置は、エキサイティングなコラボレーションの機会をもたらしてくれます。TBSと協力して日本での関係を深め、才能あるクリエイターへの敬意と称賛を込めながら、豊かなIPを世界中の人々へ届けるお手伝いができることを楽しみにしています」とコメントを寄せています。​

日本のアニメや漫画、ゲームなどのコンテンツ産業の海外売上は、2022年時点で約300億ドル(約3兆円)に達しており、日本政府のクールジャパン戦略では2033年までにこの輸出額を4倍の1300億ドル(約20兆円)に増加させることを目指しています。今回のTBSとレジェンダリーの戦略的提携は、日本発IPの次なるステージを占う動きとして注目されます。​

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