
大阪市は27日、小林製薬に対して健康被害の報告を受けた「紅麹コレステヘルプ」など3種類のサプリメント製品の回収を命じる行政処分を行いました。この処分は、厚生労働省が前日の26日に食品衛生法に基づく健康被害の恐れがあるとの判断を下したことに基づくものです。
該当する製品は「紅麹コレステヘルプ」の他に、「ナイシヘルプ+コレステロール」と「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」を含みます。大阪市は27日の記者会見にて、製品の回収に続き、廃棄命令を出す考えを示しました。
この問題に対応するため、政府は27日に関係省庁間の連絡会議を開催しました。厚生労働省と消費者庁は、小林製薬の製品を摂取した後に2人の消費者が死亡したとの報告を受け、調査を実施しています。
さらに、同社のサプリメントを摂取後に入院が確認された人数は106人に上り、患者からの相談件数は3,000件を超えています。これらの製品からの健康被害報告には、腎疾患などが含まれており、食品衛生法に基づく厳しい措置が取られています。
大阪市は行政処分を出した後の記者会見で、「さらなる被害拡大防止を図るため当該食品の回収を命じた」と処分の理由について、大阪市健康推進部の亀本啓子保健主幹が明らかにしました。それに続き、「健康被害事例が多数寄せられており、さらに死亡との因果関係が疑われる事例が2例報告されているので、これらの食品を購入し手元にある場合は、絶対食べないようにしてください」と危険性を説明しています。
28日時点で4人の死亡者 小林章浩社長「深くお詫び申し上げます」
「紅麹コレステヘルプ」の摂取によって腎疾患などの健康被害が発生しており、28日時点での死亡者数は4人に達しています。いずれも死亡者とサプリメント摂取の直接的な因果関係については明らかになっていません。
この深刻な事態を受け、28日に大阪市内のホテルで開かれた小林製薬の株主総会では、小林章浩社長が被害者および株主に対して深く謝罪しました。「当社が販売しておりました機能性表示食品『紅麹コレステヘルプ』などを、摂取された方において、腎疾患などが発生し、多大なるご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます」との言葉を述べ、被害の拡大防止と原因究明に全力を尽くすと表明しました。
株主総会の最後には社長自らが涙を流し、この問題への深刻な取り組み姿勢を見せました。さらに小林製薬は29日に、被害についての詳細な説明を行う会見を開く予定です。