和歌山地方裁判所は2日、「紀州のドン・ファン」の異名を持つ資産家・野崎幸助氏(享年77)の元妻、須藤早貴被告(28)に懲役3年6ヶ月の実刑判決を言い渡しました。裁判長は、「好みの女性の歓心を得たいという気持ちもあったと考えられるが、大金をだまし取る行為を軽く見ることはできない」と発言しています。
須藤早貴被告は2015年から3回にわたり、男性から現金約2,980万円をだまし取った罪に問われていました。初公判では起訴内容を否認していましたが、その後の裁判で男性に嘘をついたことを認めています。
一方で、須藤早貴被告は金を受け取るたびに体を触られるなどをしたと訴えました。「私が詐欺師なら被害者は性犯罪者だと思う」とも語っています。
検察側は「被害金額が大きく、信じていた人に裏切られる男性の精神的負担も重大」などと主張し、懲役4年6ヶ月を求刑しました。対して弁護側は、「被告は当時19歳で、守るのが社会の責任ではないか」と訴えました。
須藤早貴被告は、被害者男性について「被害者男性は明らかに一部嘘をついていました。そこを見落とすなく裁判官には判決を下していただきたいと思います」と発言しています。
男性から金をだまし取った詐欺事件の当時、須藤早貴被告は19歳でしたが、社会的関心の高い殺人事件の被告人として、既に実名で報道されています。
2年後に殺人事件でも起訴 9月12日から裁判員裁判が開始予定
詐欺事件の2年後、須藤早貴被告は「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏の殺人事件でも起訴されています。
野崎幸助氏は2018年5月、急性覚醒剤中毒で亡くなりました。料理などに覚醒剤を混入させたと見られるものの、直接的な証拠は見つかっておらず、須藤早貴被告は事件への関与を否定し、黙秘を貫いています。
9月12日からは、その殺人事件の裁判員裁判が始まる予定です。須藤早貴被告の今後の運命が注目されています。
ネット上では、「今後の犯罪予備軍を勇気付ける結果とならないよう、殺人事件の方も厳罰が下される事を信じています」「本人は何とか詐欺事件だけで済ませるつもりだろう」「本番の殺人罪の公判前の前哨戦とみるのが自然でしょう」「同情の余地はないです。3.6年の実刑は妥当」などの意見が寄せられています。