楽天モバイル採用の商業衛星「BlueBird」5機の打ち上げに成功 スマホ宇宙接続の実現へ
米国のAST SpaceMobile社(AST)は12日、スマートフォンと直接通信可能な商業衛星「BlueBird」5機の打ち上げに成功しました。この快挙により、日本での衛星通信を活用したモバイルブロードバンドの実現に向けて、大きな一歩を踏み出したと言えるでしょう。
ASTは、衛星とスマートフォンの直接通信によるブロードバンドサービスの提供を目指しています。日本では、同社に出資する楽天グループの楽天モバイルが、2026年にこのサービスを採用する計画です。
楽天グループの三木谷浩史氏は、「日本で衛星から全国津々浦々あらゆるところでも携帯が直接高速接続する夢のプロジェクトが前進した。歴史的一歩だと思う」と、X(旧Twitter)で喜びを表明しました。
「BlueBird」衛星には、一般的な2LDKマンションの広さに相当する約64平方メートルのフェーズドアレイアンテナが搭載されています。打ち上げ時は折り畳まれており、軌道上で展開される仕組みです。
ASTはまず米国本土で時間限定のサービスを開始し、順次衛星数を増やしてグローバルに展開する予定です。日本全域をカバーするには、約45機が必要になると試算しています。
ASTの技術が確立すれば、日本のモバイル通信は新たな時代を迎えるかもしれません。ネット上では、「いよいよ楽天の時代ですな」「山でつながると強みになるね」「衛星一機当たりの同時接続数はどれくらいなんだろう」などの意見が寄せられています。
ASTのメリットとは?宇宙から直接携帯電話に接続可能
楽天モバイルは2月16日に、「AST SpaceMobileとの衛星と携帯の直接通信による国内サービスを2026年内に提供を目指す」と発表しました。
ASTの衛星通信は、他の非地上系ネットワーク(NTN)と比べて優れたメリットを有しています。同社のアーベル・アヴェラン会長兼CEOは、「宇宙から直接携帯電話に接続できること」を強調しています。
例えば、スペースXのStarlinkでは専用アンテナが必要ですが、ASTなら空が開けていればアンテナなしでどこでも通信できるとのことです。
また、iPhoneの衛星SOS機能との比較では、「ブロードバンドは使えない。iPhoneだけ使えるもの」と三木谷浩史氏は指摘しています。一方、ASTは携帯電話の周波数を活用することで、シームレスかつブロードバンドな接続を実現できるとしています。