
JR東海が2027年度中に東海道新幹線に新たな「半個室タイプ」の上級クラス座席を導入することを19日に発表しました。この新しいサービスは、多様化する利用者ニーズに応える試みとして注目されています。
半個室タイプの座席はN700S車両のグリーン車(10号車)に設置される予定で、現在の20席のリクライニングシートから6席の大型バックシェルタイプ座席へと変更されます。利用者のプライバシーを確保するため、通路と座席の間には鍵付きの扉が設けられます。
座席には快適さを追求したレッグレストが装備され、専用のWi-Fi環境や荷物スペースも整備される予定です。前後の座席間に壁はありませんが、座席は転換可能な仕様となっており、対面での利用も可能となっています。
1編成につき2室、1室1〜2人の利用が想定されています。運行区間や価格などは今後決めるとしています。
JR東海の丹羽俊介社長は、「グリーン車により上質なものを設置してほしいという要望をたくさん受けた。需要の形の変化に対応して設置していく」と記者会見でコメントしました。
ネット上では、「半個室より自由席車両をもと3両に戻してほしい」「半個室もいいが、車販がないならせめて自販機設置できないか」「政治家や有名人が使いそう」などの意見が寄せられています。
2027年度中に順次サービスを開始 「どちらが上位かは考えていない」
JR東海では以前から個室タイプの座席導入も発表しており、当初2026年度中としていた提供開始時期を「2026年秋」と具体化しました。これに続き、半個室タイプも2027年度中に順次サービスを開始する計画です。
東京広報室によると、これらの座席は「どちらが上位かは考えていない」とのことで、グリーン車よりさらに上質な設備・サービスを備えた上級クラスとして位置づけられています。新造する編成への設置を基本としつつ、間に合わない編成については車両検査時などに順次導入していく方針です。
今後、設備の詳細な仕様やサービス内容、座席の名称などについても順次発表される予定となっており、ビジネス利用からプライベートな旅行まで、さまざまな場面での活用が期待されています。