
東南アジアを拠点に活動する特殊詐欺グループの中枢を担っていたとされる日本人が、タイ当局によって身柄を確保されました。タイ警察が発表した情報によれば、この人物はカンボジアとベトナムに跨がる詐欺組織の首謀者とされています。
逮捕されたのは、日本で詐欺などの容疑で既に逮捕状が発行されていた山口哲哉容疑者です。準暴力団「関東連合」の元メンバーとされるこの人物は、カンボジアでカジノ施設やレストランの経営を手がけながら、違法な資金獲得活動を展開していたとみられています。
さらに捜査当局によれば、山口哲哉容疑者はミャンマーにおいても詐欺拠点の運営に深く関与していた疑いがあるといいます。国際的な追及から逃れるため、タイからさらなる逃亡を図り、メキシコ国籍の取得を試みていた最中だったとのことです。
国境を越えて巧妙に活動する特殊詐欺グループの摘発は国際的な課題となっており、今回の逮捕は日本とタイの捜査協力の成果といえるでしょう。タイ当局は今後、山口哲哉容疑者を日本へ強制送還する方針を示しており、日本国内での詐欺被害解明に向けた捜査の進展が期待されます。
ネット上では、「犯罪者は全員捕まえるのは当然のこととして、大切なのはその後の処置」「このような輩は、日本に帰って来てもまた犯罪をくり返す」「タイの刑罰のほうが厳しいと思うからそっちで裁いてほしい」などの意見が寄せられています。
「関東連合」元メンバーの華やかな二面生活 詐欺グループの闇
タイ・バンコクで拘束された山口哲哉容疑者の実態が明らかになってきました。カンボジアの首都プノンペンで「胡蝶」という日本料理店を経営していた山口哲哉容疑者は、表向きは飲食店オーナーでありながら、裏では詐欺グループの拠点へ食事を提供するという重要な役割を担っていました。
2023年にプノンペンのアパートで日本人20人以上が特殊詐欺の容疑で拘束された直後、この料理店は突如閉店。店内には青森県大間産まぐろのステッカーなど、高級食材を扱っていた形跡が残されていました。
容疑者のSNSには、ドバイの高層ビル前での写真や背中一面に入れた巨大な鯉の入れ墨を誇示する投稿など、豪遊生活の一端が垣間見えます。「冨沢哲哉」という別名も使用していたとされる山口哲哉容疑者は、3月14日にバンコクで身柄を拘束される際、金髪に短パン姿で犬を連れていたと目撃者が証言しています。