
4月24日、大阪湾に浮かぶ人工島「夢洲」で、日本で初めてとなるカジノを含む統合型リゾート(IR)の本格建設が幕を開けました。
万博会場に隣接する北側エリアで行われた起工式には、大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市長などの自治体トップと事業者代表が集い、この歴史的プロジェクトの船出を祝いました。
約49万平方メートルの広大な敷地には、6.5万平方メートルのカジノ施設を核に、複数の高級ホテルや6,000人規模の国際会議場など多彩な施設が整備される計画です。
総投資額は1兆2,700億円を超え、開業後は年間5,200億円の売上を見込んでいるという経済規模の大きさが注目されています。
現在開催中の大阪・関西万博との共存を図るため、事業者側は大型建機の稼働時期を工夫するなど、騒音・景観への配慮も示しています。2030年秋頃の完成を目指し、夢洲駅に近い立地を活かした利便性の高い施設となる見通しです。
地元行政からは「大阪経済の起爆剤」としての期待が表明され、事業者側も「日本の文化・伝統を体現した世界最高水準の施設」を目指す姿勢を強調しています。
ネット上では、「大阪の府民市民のためにその力を使ってほしい」「叩かれながらも新たな事にトライする精神は敬意を払います」「稼いでくれさえすれば何の問題もない」などの意見が寄せられています。
IR建設と万博の共存 騒音・景観対策で進む夢洲の二大プロジェクト
大阪・夢洲で進む日本初のIR建設は、隣接する万博会場への影響を最小限に抑えるためのさまざまな対策が講じられています。
当初、博覧会国際事務局(BIE)と日本国際博覧会協会は騒音や景観悪化を理由に工事中断を要請していましたが、事業者側が昨年9月に提示した対策案により、万博期間中も工事継続が認められました。
現場は2メートルの防音壁で囲まれており、万博会場からは大屋根リングの最上部からのみ視認可能。実際に訪れた77歳の男性は「特に気にならなかった」と述べるなど、来場者への影響は限定的のようです。
工事計画も万博との共存を重視し、くい打ち工事のピークを閉幕後の12月頃に調整しています。大型連休やお盆期間には基本的に作業を休止する配慮も行われています。
一方、IRの課題はハード面だけではありません。府と市はギャンブル依存症対策として「大阪依存症センター(仮称)」をIR開業までに設立し、相談から治療、回復支援までをワンストップで提供する計画です。
両プロジェクトの関係者は連携強化を約束しており、大阪の未来を担う二大事業の調和が図られています。