11月29日の午後4時半前、東京都立大学の教授の宮台真司氏(63)が、同大の南大沢キャンパスの路上で男に後ろから頭を殴られ、刃物のようなもので首や後頭部などを切られて重傷を負いました。通行人が「男性が顔を切られている」と、110番通報をしたことで発見。
警視庁捜査1課などによると、宮台氏は大学敷地内の歩道で男に襲われ、首や背中などを複数箇所切られ、全治1ヶ月の大怪我を負ったとのことです。発見されたときには意識があり、「後ろから頭を殴られた」などと、駆けつけた警察官に事情を説明したとされています。
逃げた男は身長180センチ前後の20〜30代だとされ、黒色のジャンパーとズボンを身に付けていたとのことです。警察庁の調べにより、男が現場から約100メートル離れた中門のそばの植え込みを越えて逃げる様子が、校内の防犯カメラに写っていたことがわかっています。
また、その後の捜査関係者への取材で、門から数百メートル離れた住宅街の防犯カメラに、男が歩いている様子が写っていたことがわかりました。その映像によると、男は東の方向に向かって歩いていたことが確認されています。
警察庁は、男が宮台氏の行動予定をあらかじめ把握し、計画的に犯行に及んだ可能性があるとして捜査を続けています。
突然襲われた社会学者の宮台真司氏の活動
今回事件にあった宮台真司氏は、宮城県仙台市生まれの社会学者で、評論家、首都大学東京教授としても活動しています。フィールドワークとして、女子高生・コギャルの実態分析、政治思想、教育問題、国際政治など、あらゆる事象について分析・解説。
また、宮台氏はこれまでさまざまなメディアで発信を行ってきました。報道リアリティーショーの「ABEMA Prime」にも複数回出演し、「過激な議論は必要なのか?」「選挙に関心低いのは誰のせいなのか?」「社会とメディアの劣化とは?」など、多ジャンルの議論を積み重ねています。
そのほか、複数のメディアで対談を繰り返しているほか、「経営リーダーのための社会システム論 構造的問題と僕らの未来」や「神なき時代の日本蘇生プラン」といった書籍執筆も手掛けています。
なお、今回の事件に対してネット上では、「ただただショックだった」「命に別状がなくてよかった」「一刻も早く犯人が捕まってほしい」などの意見が寄せられました。犯人がまだ逮捕されていないこともあり、この事件の今後の動向に注目が集まります。