
金融庁が、暗号資産(仮想通貨)を金融商品取引法の枠組みで本格的に監督する方向性を明確にしつつあります。国内の暗号資産交換業者が取り扱うビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など105銘柄を「金融商品」と位置づけ、情報開示義務やインサイダー取引規制を導入する方針が報じられました。改正案は2026年の通常国会への提出を目指しており、実現すれば、これまで資金決済法を中心に規制されてきた暗号資産は、株式などと同様の投資商品としてより厳格なルールのもとに置かれることになります。
対象となるのは、国内登録交換業者が扱う主要暗号資産105銘柄で、交換業者にはそれぞれの銘柄について、発行者の有無、用いられているブロックチェーンなどの基盤技術、供給量や価格変動リスクといった投資判断に不可欠な情報の開示が求められる見通しです。インサイダー取引規制については、発行者や交換業者の関係者が、新規取扱いの開始・廃止、発行者の破産などの重要事実を公表前に知りながら売買する行為を禁止する方向で検討されています。
背景には、国内の暗号資産市場の急拡大があります。金融庁のワーキング・グループ報告書案によれば、2025年9月時点で国内交換業者の口座数は延べ1,300万口座を超え、利用者の預託金残高は5兆円超に達しているとされています。これまで相次いだ流出事案や不透明な販売慣行に対する懸念もあり、金融庁は無登録業者への差止めや課徴金、証券取引等監視委員会による調査など、金商法の強力な執行手段を暗号資産にも及ぼす考えです。
一方で、税制面の見直しも重要な論点となっています。現在、暗号資産の売却益は雑所得として総合課税の対象で、最高税率は55%に達しますが、金融庁は株式と同様、おおむね20%程度の申告分離課税への移行を2026年度の税制改正要望に盛り込んでいます。報道によれば、この優遇税率の対象はまず情報開示義務を課す105銘柄に限定する案が検討されており、業界団体が求める「すべての暗号資産」を対象とする案との調整が今後の焦点になります。
投資家保護と市場の二極化リスク 業界は慎重姿勢も
今回の方針は、投資家保護の強化と市場の信頼性向上につながる一方で、暗号資産市場の「二極化」を招く可能性も指摘されています。国内交換業者が扱う105銘柄はいわば「日本で主要に買える銘柄」であり、厳格な情報開示とインサイダー規制、そして将来的な税率軽減が組み合わされることで、「まともな投資対象」としての位置づけが強まるとみられます。他方、発行者の特定が難しいDeFi(分散型金融)関連トークンなどは、この枠組みから外れ、規制も税制優遇も及ばない「壁の外側」に置かれるとの懸念があります。
業界側は、暗号資産全体に対する55%の高税率が個人投資家の参入を阻害しているとして、すべての暗号資産の売却益に対する一律20%台の分離課税と損失繰越控除の導入を求めてきました。日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)などは、株式と同等の税制を適用することがWeb3時代にふさわしいと訴えており、今回の105銘柄限定案についても「第一歩」と評価しつつ、対象拡大を働きかけるとみられます。
金融庁の有識者ワーキング・グループが取りまとめた報告書案では、交換業者の「販売所」への誘導や、システム会社を経由した大規模流出事案などを踏まえ、セキュリティ確保や準備金積立義務化なども検討課題として挙げられています。今後、2026年通常国会への法案提出に向けて制度設計が詰められるなかで、投資家保護とイノベーション促進、そして税制の公平性をどう両立させるかが、日本の暗号資産市場の行方を左右することになりそうです。








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