
田中貴金属工業や三菱マテリアルなど金商品販売業者の店頭では、12月22日から数日間にわたり金相場が著しく上昇しており、1グラムあたり2万4000円を超える過去最高値圏での推移が続いています。業界の専門家によれば、金相場は上昇トレンドを継続しており、さらなる高値更新の可能性も十分あると指摘されており、国内金市場は歴史的な転換点を迎えています。
市場関係者が主な上昇要因として挙げるのが、再燃した地政学リスクと外国為替市場での急激な円安の進行です。アメリカのトランプ大統領による強硬な外交政策が市場の動揺を招いています。トランプ政権は16日、南米ベネズエラのマドゥロ政権を「外国テロ組織」に指定し、同国に出入りする制裁対象の石油タンカーに対する「完全な海上封鎖」を命じました。その後、アメリカ当局は実際にタンカーの拿捕(だほ)を発表するなど、軍事的な緊張が極限まで高まっています。
こうした「有事の金」としての買い需要に加え、通貨としての円の弱さが価格を押し上げています。金は国際的にはドルで取引されるため、円安が進めば進むほど、国内での販売価格は自動的に上昇する仕組みとなっています。市場では、トランプ政権による関税強化などの保護主義的な政策が将来的なインフレ(物価上昇)を招くとの警戒感も根強く、資産防衛の観点から現物の金を買い求める動きが加速しています。過去最高値を更新したことで、利益確定の売りが出る一方、さらなる先高観から買い注文も膨らんでおり、店頭では活発な取引が続いています。金の需要は先物市場でも顕著で、国際的な金先物価格も同様に最高値圏での推移となっており、日本だけではなく世界全体でのリスク回避姿勢が強まっていることが明白です。
米軍展開で南米情勢が緊迫化 安全資産としての金需要が急増
今回の価格高騰の背景には、単なる経済指標を超えた深刻な軍事リスクが横たわっています。アメリカ軍はカリブ海に原子力空母「ジェラルド・R・フォード」を中心とする打撃群を展開し、ベネズエラ沖での圧力を強めています。これに対し、ベネズエラのマドゥロ大統領は「主権と国際法に対する明白な脅威であり、戦争行為だ」と激しく反発しており、偶発的な衝突のリスクが排除できない情勢です。
複数の市場分析機関は「トランプ政権がタンカーの全面封鎖という実力行使に出たことで、市場は最悪のシナリオを織り込み始めている」と指摘しています。中東情勢に加え、南米でも新たな火種が生まれたことで、投資家のリスク回避姿勢は当面続くとみられます。金相場の過去の推移に詳しいゴールドプラザの分析では、地政学的リスクが高まる局面では金への需要が飛躍的に増加することが明記されており、現在の緊迫した情勢が続く限り、金相場は高値圏での推移が予想されるとのアナリストの見方が出ています。



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