石黒浩氏が描く「いのちの未来」大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンで体験する人類の進化

2025年大阪・関西万博でロボット工学の第一人者・石黒浩氏プロデュースのシグネチャーパビリオン「いのちの未来」の外観

2025年大阪・関西万博で、ロボット工学の第一人者である石黒浩氏がプロデュースするシグネチャーパビリオン「いのちの未来」。

人間とテクノロジーの境界が曖昧になる未来、私たちの「いのち」はどう進化するのか? このパビリオンでは、進化についての根源的な問いに対する、石黒浩氏ならではの答えを、五感を通して体験することができます。石黒浩氏の研究成果と哲学が凝縮され、あなた自身の未来と人類の未来を覗くことができるパビリオンを紹介します。

<目次>

「いのちの未来」のコンセプトとテーマ「いのちを拡げる」

「いのちの未来」パビリオンは、「未来との出会いが、人間の生き方をもっと自由にする」というコンセプトのもと、「いのちを拡げる」をテーマに掲げています。石黒浩氏の視点から、科学技術、特にアンドロイドやロボットの進化が、人間の「いのち」の可能性をいかに広げ、多様な幸福を創造するのかを探求。人間とアンドロイドがシームレスに共生する社会、そして身体の制約から解放された1000年後の人類の姿を体感できる空間を目指しています。「いのちは渚から拡がっていった」という生命の起源にまで遡る壮大なビジョンが、パビリオン全体に表現されています。

水と渚が織りなす建築 生命の起源を象徴

パビリオンの建築・展示空間ディレクターはSOIHOUSEの遠藤治郎氏が担当しました。その独特な外観は、いのちの起源である「水」と、生命が陸へと拡がっていった「渚」をモチーフにしています。高さ12mの屋根から滝のように水が流れ落ち、パビリオンを包み込む“水のヴェール”によって、未来への旅へのはじまりを感じられるでしょう。また、黒いカヌレのような形状の建物は、大地と生命のダイナミズムを象徴。「人間は無生物から生まれ、生物へ、そして技術で新たな無生物へと進化する」という石黒教授の思想を建築として表現しています。

3つのゾーンで体感する「いのち」の未来像

「いのちの未来」は、3つの体験ゾーンで構成されています。アンドロイドやロボットたちとの出会いによって、私たちの「いのち」について可能性を深く考えるきっかけになるでしょう。

ZONE1「いのちの歩み(モノにいのちを宿してきた歴史)」

古くから日本人が道具や「モノ」に「いのち」を宿してきた歴史を紐解きます。現代のアンドロイドに至るまでの人間と技術の関係性に触れることができます。

ZONE2「50年後の未来」

ヤマトロイドやアスカロイドといったアンドロイドアバター、そしてペトラ、プニカ、パンジーといったロボットたちが登場。様々な企業との共創プロジェクトから生まれた、50年後の社会における人間とアンドロイド・ロボットが共に働く最先端の生活空間などのリアルな展示が楽しめます。住まい、学び、健康、仕事など、多岐にわたる未来のプロダクトやサービスを通じて、新しいライフスタイルを垣間見ることができます。

ZONE3「1000年後のいのち“まほろば”」 

音と光に満ちた幻想的な空間で、科学技術と融合し、身体の制約から解放された1000年後の進化した人間の姿と出会えます。「まほろば」という概念を通じて、新たな生命のあり方や幸福の形について考えるきっかけになるかもしれません。

プロデューサー・石黒浩氏とは?ロボット工学の世界的フロンティア

シグネチャーパビリオン「いのちの未来」のプロデューサーである石黒浩氏は、1963年滋賀県生まれのロボット工学分野を牽引する世界的な研究者です。大阪大学大学院基礎工学研究科教授および栄誉教授、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)石黒浩特別研究所客員所長を兼任しています。

彼の研究の根底にあるのは、「人間とは何か」という根源的な問いの解明です。人間酷似型ロボットである「アンドロイド」の研究・開発の第一人者として知られ、自身の姿を模した遠隔操作型アンドロイド「ジェミノイド」など、数多くのアンドロイドを生み出してきました。彼はロボットを「人間を知るための鏡」と位置づけ、人間とロボットの境界を問い続けることで、次世代の情報・ロボット基盤の実現を目指しています。

2007年には、英国のコンサルティング会社Synectics社による「世界の100人の生きている天才」に日本人として最高位で選出されるなど、国際的な評価も非常に高く、数々の功績と受賞歴を誇ります。2025年大阪・関西万博では、自らの長年の研究成果と哲学をこの「いのちの未来」パビリオンとして具現化し、「人間とは何か」「いのちの可能性」について深く問い直す、他に類を見ない体験を提供しています。

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