小金井ストーカー事件で東京都と和解成立 7,600万円余の損害賠償請求

2016年に発生した小金井市でのアイドル刺傷事件について、被害者側と東京都との間で和解が成立しました。

当時、音楽活動を行っていた大学生の冨田真由氏は、ライブ会場前でファンの岩崎友宏受刑者(36)から刃物による襲撃を受け、命に関わる重傷を負いました。

事件前、冨田真由氏は武蔵野警察署に身の危険を訴える相談を行っていましたが、ストーカー事案としての適切な受理や警備配置などの防護措置が講じられませんでした。

この警察対応の不備を問題視し、冨田真由氏と母親は都に対して総額7,600万円を超える損害賠償請求訴訟を提起していました。

訴訟において東京都は、危険性の予見可能性がなかったとして責任を否認していましたが、東京地方裁判所からの和解勧告を受けて協議が進められました。

7月28日に成立した和解では、都側が見舞金の支払いに応じるとともに、同種事案の再発防止に向けた対策強化を約束する内容となっています。また、当時の所属芸能事務所との間でも見舞金支払いによる和解が成立しました。

一方、加害者である岩崎友宏受刑者に対する損害賠償請求については、同日に東京地裁が約7,600万円の支払いを命じる判決を言い渡しており、被害者側の請求が全面的に認められる結果となりました。

岩崎友宏受刑者は既に殺人未遂罪等で懲役14年6ヶ月の実刑判決が確定しています。

事件から9年が経過 冨田真由氏が語る心境と被害者への思い

小金井市でのアイドル刺傷事件から9年が経過した冨田真由氏が、7月28日の記者会見で自身の心境を率直に語りました。「つらい、苦しいという言葉が当てはまる日の多い9年だった」と振り返っています。

しかし、家族や友人をはじめ多くの支援者の温かい手と言葉に救われたと感謝の気持ちを表しています。現在も事件の影響による生きづらさを抱えながらも、同じような被害に苦しむ人々への思いやりを忘れていません。

「思うように生活できないもどかしさ、自分にしかわからない苦痛を抱えている方が少しでも早く穏やかな日々を送れることを心から願っている」と、被害者同士の連帯感を示しています。

警察への相談時を振り返り、「切実な気持ちで言ったのに、ちゃんと聞いてもらえなかったのは本当に悲しかった」と当時の心境を明かしました。

その上で、今回の和解により警視庁が再発防止策の強化を約束したことに安堵感を示し、「被害者が相談して良かったと思えるような対応をしてほしい」と切実な願いを込めました。

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