欧州ファンドEQTがフジテックを買収 4,000億円規模のTOBで経営正常化へ

スウェーデンを拠点とする投資ファンドEQTが7月29日、エレベーター大手フジテックの完全買収を決定しました。株式公開買い付けによる買収総額は4,000億円を上回る見込みで、2025年に入って国内3番目の大規模な上場企業非公開化案件となります。

買い付け価格は1株当たり5,000円台後半に設定される予定で、これまでの株価上昇を反映した水準となっています。

フジテックは近年、香港系投資ファンド・オアシス・マネジメントと創業家勢力との間で激しい経営権争いが続いており、企業統治の混乱が投資家の懸念材料となっていました。

現在の株主構成では、オアシスが筆頭株主として約30%を保有し、米ファラロン・キャピタルが6.59%、創業家関連のウチヤマ・インターナショナルが6.46%を所有しています。

今回の買収により、オアシスとファラロンは投資を回収する一方、創業家は新設される特別目的会社に15%程度の出資を行う予定です。

この買収完了後、フジテックは東京証券取引所での上場を廃止し、EQT傘下での再建に着手します。長期化していた経営陣対立に終止符を打ち、事業成長に専念できる環境が整うことで、企業価値向上への期待が高まっています。

アジア市場拡大とデジタル変革で新成長戦略を描く

買収後のフジテックは、EQTの豊富な経営資源を活用してアジア太平洋地域での事業拡大を加速させる方針です。

現在の売上構成比では国内が36%、東アジア・南アジアが45%を占めており、特に中国やインドなどの新興市場においては、新設需要とメンテナンス事業の成長ポテンシャルが高く評価されています。

2029年3月期を最終年度とする中期経営計画では、東アジア地域を日本市場を上回る最大の収益源に育成する目標を掲げています。EQTはこれまでインドなどでIT関連企業の経営支援を手がけてきた実績があり、この知見をフジテックのデジタル化推進に活用する計画です。

特に注目されるのは、人工知能技術を活用したメンテナンス事業の高度化です。遠隔監視システムの導入により保守作業の効率化を図り、予防保全の精度向上によって顧客満足度とコスト競争力の両立を目指しています。

これらの取り組みにより、従来の製品販売中心のビジネスモデルから、継続的な収益を生むサービス型事業への転換を促進します。

ネット上では、「これで少しは安定化するだろう」「いい会社になることを期待している」「結局買収されるのか、悲しい」などの意見が寄せられています。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 「明日の日本」を予言するウクライナの惨状。平和ボケした私たちが直面するXデー
    2022年にロシアがウクライナへの全面侵攻に踏み切ってから4年半が過ぎた。これほど長い戦争になると、…
  2. スーパーで買い物をする高齢者
    2026年9月を迎え、私たちの食卓に直結する飲食料品の価格が一斉に引き上げられる、今年最大規模の「値…
  3. Uber Eatsの配達員
    配車・デリバリーサービス大手のUberと、ドローン配送を手掛けるZiplineは、Uber Eats…

おすすめ記事

  1. 網走刑務所旧正門(※現在は外塀工事の兼ね合いで柵に囲われている)

    2026-4-1

    最果ての監獄「網走刑務所」の堅実な日常を支えるインフラ管理

    「最果ての監獄」「極寒の地獄」と呼ばれ、厳しい寒さの中で受刑者が過ごすというイメージが根強い網走刑務…
  2. 札幌刑務所の処遇カウンセラー(イメージ画像)

    2025-10-14

    犯罪者と対話を重ねて心に寄り添う。処遇カウンセラーの知られざる現場

    刑務所の中で、受刑者と対話を重ねながら更生の道を支える役割を担う処遇カウンセラー。社会復帰を目指す人…
  3. 第53回横浜矯正展の入場ゲート

    2026-1-8

    【刑務所を身近に感じる一日】第53回横浜矯正展レポート

    2025年11月1日、神奈川県横浜市港南区の横浜刑務所で「第53回横浜矯正展」が開催。来場者は刑務所…

2026年度矯正展まとめ

2026年度 矯正展まとめ

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る