
日本が宇宙産業の国際拠点としての地位確立を目指す中、法制度の整備が喫緊の課題として浮上しています。
現行の宇宙活動法には大きな問題があります。繰り返し使用可能なロケットや人工衛星を積載しない打ち上げ機体に関する明確な規定が欠けているため、海外企業の参入障壁となっているのです。
台湾系企業jtSPACEの担当者は、燃料貯蔵を含む各種許可取得のために23回もの訪日を余儀なくされたと明かしました。個別案件ごとに複数の行政手続きが求められる現状について、慎重な対応には理解を示しつつも、統一窓口による一括処理の実現を望んでいます。
この問題に対し、政府は対応に動き出しました。2026年の国会会期中に法改正案を提出する計画です。再利用型機体や商業打ち上げ施設の運営に関する新規定が盛り込まれる見通しとなっています。
国内では北海道スペースポートに続き、大分空港周辺など複数の候補地が浮上中です。将来的には周辺地域にロケット保守拠点や観光客向け商業エリアの開発も想定され、1時間圏内で複数施設を結ぶネットワーク構築が検討されています。
世界規模では100を超える地域が宇宙港開設を表明しており、アジア地域のハブ機能獲得に向けた国際競争は激化の一途です。
宇宙活動法の概要と主要規制内容
正式名称を「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」とする宇宙活動法は、日本が承認する宇宙関連条約の国内担保法として機能しています。宇宙条約をはじめ、救助返還協定、損害責任条約、物体登録条約といった国際規範の実効性確保が主目的です。
法律は3つの柱で構成されています。第一に打ち上げ行為の許可制度があり、国内施設または日本船舶・航空機に搭載された設備からのロケット発射について、飛行経路の安全性や条約遵守状況を事前に審査します。
第二の柱は衛星管理に関する許可体系で、国内管理設備を使用した衛星運用行為がこれの対象です。宇宙空間の汚染防止や運用終了時の落下地点周辺の安全確保について審査が行われ、管理計画の遵守や事故対応措置が義務付けられます。
第三の柱として損害賠償制度が設けられています。打ち上げ実施者には無過失責任原則と責任集中ルールが適用され、事前の損害賠償担保措置が必須です。
保険契約や供託による対応が求められ、民間保険でカバー不可能な損害については政府が3,500億円を上限に補償契約を結ぶ仕組みとなっています。法運用にあたっては、国内宇宙関連産業の技術力向上と国際競争力強化への配慮が明記されています。












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