
山善は2025年10月30日、物流倉庫に人型ロボットを導入する実証実験の様子を公開しました。この実証実験は、人型ロボット向けシステム開発を手掛けるINSOL-HIGHと協力し、千葉県市川市の「東京ベイ・ファッションアリーナ」で実施されています。実験に使用されたのは中国AGI BOT社のロボット「G1」で、特徴的なL字型の土台に人型の上半身が備わっており、車輪で移動します。G1の上半身は昇降式で身長は130cmから180cmまで変化し、両腕は70cmの長さ。全身26の自由度を持つ先進的な設計です。
デモンストレーションでは、G1がぬいぐるみやペンケースをつかみ、設定を変えずに様々な形状の物体を移動・ピックアップする様子が披露されました。また、動くボールを追いかけるなど、AIモデルによる自律性と汎用性の高さをアピールしています。実験開始から約1週間で、商品のピックアップと移動の動作成功率は97%、10個の商品を取り出す平均時間は131秒に達しました。
山善は、工場や倉庫向けの生産材で売上の6~7割を占めるなど、製造現場の課題解決や自動化に積極的に取り組んでいます。同社の北野峰陽氏は「人型ロボットは自動化が難しかった現場にも柔軟に対応できる」と述べ、幅広い作業領域への適応性を強調。他社製ロボットの導入も検討し、人型ロボット分野への注力を鮮明にしています。
労働力不足とリアルデータ収集へのアプローチ
山善とINSOL-HIGHは2026年春、最大50台の人型ロボットを稼働させ、実作業データを蓄積する「フィジカルデータ生成センター」の設立を予定しています。ここでは模倣学習を通じて、高品質で大量の人の動作データをAIモデルの学習に活用。INSOL-HIGHの磯部宗克CEOは「シミュレーションによるデータ作成には多くのエンジニアが必要だが、模倣学習ならバイトスタッフでも短時間で高精度のデータ収集ができる」とメリットを強調しました。
物流業界では深刻な労働力不足が続く中で、人型ロボットの活用が期待されています。東京納品代行の嶋田亮司氏も「これまで人の判断や作業が不可欠だった現場業務をロボットが代替できる可能性は非常に大きい」と評価。今後は、2026年度内の本格導入をめざし、現場の省人化と効率化に向けた取り組みが加速する見通しです。









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