
プロ野球12球団の所属選手がメジャーリーグに移籍するための「ポスティングシステム」の申請手続き期間が11月1日より開始されました。このシステムは、海外フリーエージェント(FA)権取得前の選手の米国大リーグ移籍を可能にする制度で、申請するかどうかは各球団側が決定します。申請期間は12月15日までであり、多くの日本人選手のメジャー挑戦の動向が注目されています。
今オフのポスティングシステムで最も注目される選手は、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆内野手(25)です。村上は2022年に三冠王に輝いた実績を持ち、ヤクルトは今オフの制度利用を容認しています。今季はけがの影響で56試合の出場にとどまったものの、打率.273でリーグ3位の22本塁打をマークするなど、高い成績を記録しました。元球団GMのジム・ボウデン氏は、村上の契約予想を6年1億6000万ドル(約246億円)とし、フレディ・フリーマン内野手がドジャースと結んだ契約に匹敵する水準を予想しています。ボウデン氏は村上について「25歳という年齢はまさに全盛期に入る時期」と評価しつつも、「けがの経歴が各球団の評価に影響を与える可能性がある」と唯一の懸念を指摘しています。
読売ジャイアンツの岡本和真内野手(29)も、ポスティングシステムの利用を認められています。岡本は巨人がこの制度を認めた野手として初めてであり、球団からメジャー移籍した野手は2002年の松井秀喜以来2人目となります。岡本は10月22日に球団事務所で記者会見を開き、「このたび、ポスティングシステムを利用してMLBに挑戦させていただくことになりました」と述べました。過去6年連続で30本塁打以上を放ち、2023年にはキャリアハイの41本塁打をマークした岡本ですが、今季は77試合の出場で15本塁打に減少しました。ボウデン氏は岡本を4年総額9000万ドル(約138億円)の契約と予想しています。
他の有力選手の動向と制度の仕組み
西武ライオンズの高橋光成投手(28)もメジャー挑戦を希望しており、球団との協議に応じる姿勢が示されています。同じく西武の今井達也投手(27)も、10月10日に代理人を伴って球団にメジャー挑戦の希望を正式に伝えており、球団はこの件について検討を進めています。一方、球団が容認姿勢を示さない事例もあり、西武の渡辺久信GMは高橋について「来年の戦力を見すえた中で、今年は難しい」と改めて認めない考えを示しています。
ポスティングシステムの申請が受理されると、大リーグ機構(MLB)に契約可能選手として通知され、交渉期間は45日間設定されます。契約が成立すれば、契約金と年俸の総額に応じて日本球団への譲渡金の額が決定される仕組みとなっています。このシステムにより、日本の有望選手が世界最高峰のメジャーリーグへ挑戦する道が開かれており、今後の選手たちの活躍が大きく注目されています。












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