
自転車運転中の携帯電話使用や画面注視、いわゆる「ながら運転」が、11月1日から法律で禁止されます。これを受けて、東京都大田区の池上駅前では、警察官など17人が自転車利用者に対し、法改正について注意を呼びかけました。
改正道路交通法では、自転車運転中の「ながら運転」に加え、「酒気帯び運転」や、酒に酔った状態の自転車運転者に酒を提供する行為も、新たに罰則の対象となります。
警視庁の調べによると、2024年1月から9月までに発生した「ながら運転」による人身事故は34件に上り、そのうち31件は画面注視が原因だったとのことです。中には、歩行者と衝突して大怪我をさせたケースもありました。
池上警察署の齋藤記央交通課長は「ながら運転」について、「周知とともに取締りも強化していく。自転車も車の仲間なので自分や歩行者の命を守る運転をしてほしい」と述べています。
ネット上では、「自転車のながらと、違法駐輪は厳罰化すべき」「無灯火運転も徹底的に取り締まってください」「次は歩行者へ対しての罰則を」などの意見が寄せられています。
広島市で「ながら運転」の危険性を疑似体験できるイベントが開催
広島市で26日、自転車の「ながら運転」の危険性を疑似体験できるイベントが開催されました。11月1日に施行される改正道路交通法では、自転車運転中の携帯電話使用に対する罰則が強化されます。
これを受けて、広島市や警察などが企画したイベントでは、VR(バーチャルリアリティー)技術を活用し、「ながら運転」の危険性を身をもって体験できる機会が提供されました。
会場には、交通ルールに関する展示やスタントマンによる自転車事故の再現など、さまざまなコーナーが設けられましたが、中でも注目を集めたのがVRブースです。
参加者はVRゴーグルを装着し、スマートフォンとブレーキ用のリモコンを手に取ります。「ながら運転」の有無によって、脇から現れた歩行者に気付くタイミングがどれほど変わるのか、その違いを体感できるのです。
体験した30代の男性は、「スマホを持っていると、想像している以上に周りが見えませんでした。運転する時は何も持たずに、まっすぐ前を見ることを心がけたいです」とコメントしました。
自転車の「ながら運転」は、重大な事故に直結する危険な行為です。法改正を機に、一人ひとりが交通ルールを守り、安全運転を心がける意識を持つことが何より大切です。