モルディブとタイで高級リゾートを展開するSoneva(ソネバ)が、沖縄県の伊是名島と伊平屋島の間にある具志川島に、富裕層向け高級リゾートの開発を計画していることがわかりました。地元に説明された計画案によれば、陸上と水上にヴィラ形式の客室129棟を設け、宿泊者の定員は約500人とのことです。
沖縄県の具志川島は、伊是名島の北側に位置する無人島。海の透明度が抜群で、ディズニーランドとほぼ同じ面積を誇ります。別名「グシチャー」とも呼ばれています。
2022年5月、ソネバのソヌ・シブダサニCEOは伊平屋村を訪れ、名嘉律夫村長と伊是名村の前田政義村長(当時)と話し合いを進め、高級リゾート開発の計画に合意しました。11月29日、30日には、両村でそれぞれ村議と役場職員向けの説明会が行われました。
出席者によると、具志川島に100人の従業員を、伊是名と伊平屋の両島にそれぞれ200人の従業員を配置。両島に従業員用の施設を整備していくとのことです。
「自然との共生をコンセプトにした施設を運営する」「地球環境に配慮する」「食事に地元の食材を多く取り入れる」などの説明もあり、地元にも貢献できると協力依頼があったようです。また、伊是名村の奥間守村長は取材に対し、「議会や村民の意見を大切にしていきたい」と述べています。
具志川島の高級リゾート開発の計画に不安の声も
具志川島は沖縄県島尻郡伊是名村に属する無人島で、廃校となった伊是名小学校の分校や、島民が生活していた集落跡などが残っています。1960年代には貝塚が発見され、それ以降発掘調査が続けられた結果、人骨や土器、装身具などが島内の数カ所から見つかりました。
具志川島の高級リゾート開発の計画に対し、「沖縄県が賑わうならそれでいい」「楽しみが増えるのは良いこと」といった賛成意見があがっていますが、その一方で開発を進めるにあたって不安を呼びかける声も寄せられています。
沖縄県は特に台風が多い地域なので、「高級リゾートを設立しても台風ですぐに吹き飛ばされるのでは?」と心配されているのです。確かに、日本の沖縄県に比べると、世界的な高級リゾート地の台風(ハリケーン)被害は少ない傾向にあります。
また、「珊瑚などの環境被害が心配」「沖縄の海が汚れるのは嫌だ」など、環境への影響を不安視する声もあがっています。いまはまだ高級リゾートの開発を計画している段階なので、今後どのような流れで進行するのかは不明確です。リゾート開発の動向に注目が集まります。