英国の名門自動車メーカー「ロールス・ロイス・モーター・カーズ」がいま、歴史的な節目に立っています。ロールス・ロイスは6月9日、ブランド初のEVで大型2ドアクーペ「スペクター」の、グローバル・テスト・プログラムが終了したと発表しました。
グローバル・テスト・プログラムでの走行距離はなんと250万km。極限ともいえるマイナス40度からプラス50度までの範囲で、長期間に及ぶテストが実施されました。車両開発の期間だけでも、合計で5万時間以上を要したとのことです。
現在のところ、スペクターの最終スペックは発表されていませんが、EVパワートレインのモーターは最大出力585hp、最大トルク91.8kgmを誇ります。これらの力強いパワートレインにより、0から100km/hの加速はわずか4.5秒で可能にします。
また、一度の充電で最大520kmもの航続ができる見通しで、納車開始は2023年第4四半期(10〜12月)を予定しているとのこと。
このスペクターは、伝統と革新が見事に融合したロールス・ロイスの新たな挑戦です。革新的な電気技術と、品質への妥協なき追求が見事に融合したこのモデルに、世界中から注目が集まっています。
ネット上では、「車重が何トンか気になる」「王族や誰かを運ぶような用途だと最適かもしれない」などの声が寄せられています。
グローバル・テスト・プログラムとは?スペクターについて
ロールス・ロイスが自社の新型EV「スペクター」を試すために用いたのが、グローバル・テスト・プログラムです。これは、車両の性能を最大限に引き出すための試験プログラムで、250万kmに及ぶ走行距離と、極端な温度条件下での試験が実施されました。
このグローバル・テスト・プログラムは、自動車開発の一部として行われる重要な試験であり、この試験の結果、「スペクター」は厳しい環境における性能と耐久性を証明しました。
ロールス・ロイスのエンジニアリング・ディレクターは、「このように優れた自動車には卓越したテスト・プログラムが必要であり、この度スペクターがロールス・ロイス車の中で最も困難な数々のテストを完了したことを大変誇りに思います」と語っています。
この言葉から分かる通り、「スペクター」は400年以上の使用を想定した歴史的かつ比類のないプロセスを完了しました。グローバル・テスト・プログラムを経て、音響性能やコーナリング時の安定性、ステアリングの正確性、充電時間など、数々の要素が改良されたとのことです。