
未成年者による大規模なサイバー犯罪が発覚し、社会に衝撃が走っています。警視庁は先日、楽天モバイルのシステムに不正アクセスして大量の通信回線を違法に契約したとして、中学生2人と高校生1人の計3人を逮捕しました。
驚くべきは、彼らが犯行に用いたのが、昨今注目を集める対話型AI「ChatGPT」だったことです。少年たちは、ChatGPTを悪用して高度なプログラムを作成。通信アプリ「テレグラム」で購入した大量のIDとパスワードを機械的に入力し、不正ログインを繰り返していたのです。
この手口で入手した通信回線は、闇市場で転売され、少年たちは計約750万相当の暗号資産を得ていたとみられています。わずか数ヶ月の間に、100件以上の不正契約が行われていたようです。
事件の背景には、少年たちの歪んだ承認欲求がありました。「SNSで犯罪を自慢して、周囲から尊敬されたかった」と発言しており、仲間内で一目置かれたいという安直な動機が、重大な結果を招いてしまったのです。
AIの発展は、利便性の向上や社会課題の解決に寄与する一方で、悪用のリスクも高めています。技術の健全な活用を促し、サイバー犯罪を未然に防ぐ取り組みがこれまで以上に求められています。
ネット上では、「IT関係の犯罪は今後増える事があっても減ることはないと思います」「悪い道に進まないように更生して欲しい」「今後目的や方向性を変えれば、とても将来性があると思う」などの意見が寄せられています。
楽天モバイル、回線が無断契約されていたことを発表 警察の捜査に全面協力
楽天モバイルは、第三者が不正に入手した個人情報を悪用し、多数の回線が無断で契約されていたことを発表しました。同社は事件発覚後、直ちに被害に遭った回線の停止措置を取り、警察の捜査に全面的に協力する方針を明らかにしました。
こうした事態を受け、楽天モバイルは不正検知システムの強化と追加対策の検討に着手しています。利用者に対しては、定期的な利用明細のチェックとパスワードの使い回しを避けるよう呼びかけるとともに、不審な契約があれば速やかに対処するよう促しています。
また、被害に遭った方へのサポートも万全を期すとのことです。専用の問い合わせ窓口が設置され、「0800-805-0008」で不正利用に関する対応方法について相談を受け付けています。
利便性の高いデジタルサービスを安心して利用し続けるには、企業がしっかりとしたセキュリティ対策を講じると同時に、利用者1人ひとりが自らの情報を大切に管理する意識や試みが重要だといえるでしょう。