
日本の水産業界において画期的な技術進歩が実現しました。水産研究・教育機構が、ニホンウナギの完全養殖における量産化技術で重要な特許権を獲得し、商業化への道筋を確立しています。
この成果は、天然資源保護の観点から国際的に注目されているウナギ問題の解決策として期待されています。
同機構は水産庁の管轄下にある国立研究開発法人として、2010年に世界初となるニホンウナギの完全養殖技術の開発に成功した実績を持ちます。
その後15年間にわたる研究を通じて、人工ふ化から成魚までの一貫した育成システムを構築し、次世代繁殖まで含めた完全なサイクル確立を達成しました。
今回特許を取得した技術は2つの革新的な要素から構成されています。第一は、ヤンマーホールディングスとの共同開発による新型飼育水槽システムです。この水槽では、従来の研究用設備と比較して10倍以上の稚魚を収容でき、製造コストを75%削減しています。
第二の技術革新は飼料の改良です。これまで希少価値の高いサメ卵に依存していた給餌システムを抜本的に見直し、市場で容易に入手できる鶏卵や乳製品由来のタンパク質を活用した新飼料を開発しました。
これらの技術により5万から10万匹規模での安定した稚魚生産体制が構築されています。水槽技術は2024年末に、飼料技術は4月末にそれぞれ国内特許を取得し、現在は国際特許申請も進行中です。
ウナギ人工稚魚の商業化が加速 国際情勢も変化
水産研究・教育機構の完全養殖技術が実用段階に入り、産業界との本格的な協力体制が構築されています。飼料開発では不二製油が参画し、水循環システムについては近畿大学が技術協力を行っています。
また、実際の養殖現場での技術検証として、大分県佐伯市の山田水産と埼玉県川越市の武州ガスが実証実験に取り組んでいます。
経済性の向上も着実に進展しており、2016年時点で1匹4万円だった人工稚魚の製造コストは、2024年には1,800円まで大幅に削減されました。これは天然稚魚価格の約3倍という現実的な水準で、2025年にはさらなる低下が確認されています。
コスト削減の主要対象は水温管理に伴う光熱費と労働集約的な給餌・清掃作業で、地熱や廃熱エネルギーの活用、自動給餌システムの高度化により効率化を図っています。
ウナギを取り巻く国際情勢も変化しており、11月のワシントン条約締約国会議では国際取引規制が議論される予定です。日本の消費量の約8割を中国からの輸入に依存している現状を踏まえ、食文化と資源の持続性確保が急務となっています。
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