
暗号資産関連の主要団体が政府に対して大幅な税制見直しを求める動きを活発化させています。7月30日、日本暗号資産等取引業協会と日本暗号資産ビジネス協会が連名で金融庁に税制改正要望書を提出し、仮想通貨取引から生じる利益に対する課税方式の変更を訴えました。
現行制度では仮想通貨の売買益は総合課税の対象となっており、所得水準によっては最高55%という高率な税負担が課せられています。これに対し業界団体は、株式投資などと同様の申告分離課税を適用し、税率を一律20%に統一することを求めています。
国際比較では、米国37.1%、フランス30%、韓国20%となっており、日本の税率の高さが際立っています。
この要望には日本ブロックチェーン協会も賛同しており、同協会の調査によると税率が20%に軽減された場合、回答者の8割以上が投資額増加を検討すると回答しました。また、仮想通貨への投資を控える理由として「税負担の重さ」を挙げる人も一定数存在しています。
海外では米国のトランプ政権が暗号資産分野の法整備推進を表明し、ビットコインが過去最高値を更新しました。
日本でも金融庁が仮想通貨を金融商品として法的に位置付ける金融商品取引法改正を検討中で、業界では税制改正との同時実施を強く希望しています。
Web3立国への影響懸念 暗号資産税制改正で業界団体が一律適用を主張
暗号資産業界による税制改正要望の背景には、日本のWeb3戦略への深刻な懸念があることが明らかになりました。日本暗号資産ビジネス協会税制検討部会の斎藤岳氏は、登録事業者のみを優遇する制度設計がWeb3エコシステム全体に与える「副作用」について警告しました。
日本暗号資産ビジネス協会の会員企業を分析すると、約4割がウォレットやNFT関連などのオンチェーン事業に従事しており、従来の取引所中心のビジネスモデルから大きく変化していることが判明しています。
斎藤岳氏は「登録取引所だけを優遇する制度では、Web3立国を掲げる国家戦略に逆行しかねない」と指摘し、業界全体の健全な発展を阻害する可能性を示唆しました。
特に注目されるのは、無登録業者対策の手法に関する提言です。業界団体は「資金流出防止のインセンティブ構造を税制で構築すべきではない」との立場を明確にし、規制的役割を税制に過度に依存することの危険性を訴えています。

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