板橋第十小学校が描く子どもたちの「人生設計」アーティストとの対話を通して未来への夢を具体化
2024年3月1日、板橋区立板橋第十小学校で特別な取り組みが行われました。この日、校内には小学4年生100人と、アート関係者100人が集結。それぞれ1対1対話しながら、未来に向けた夢と希望を描く場となりました。
本イベントは、1年間にわたり取り組んでいた学習「3Mプロジェクト1000人の大人と出会って人生設計を考えよう」の集大成として実施されました。
<目次>
板橋第十小学校の取り組み
板橋第十小学校では、今年度の小学4年生を対象に「3Mプロジェクト」を進めてきました。
この学習は、同校の教育理念である「学校と社会をつなぎ、子どもたちの未来を拓く」と、小泉志信教員(同校職員)の企画が一致したことで実現。子供たちが将来の選択肢を広げ、自分の人生設計について考える機会を提供することを目的としています。子供たちは1年間を通して、さまざまな職業の大人との対話やグループプロジェクトを行い、多様なキャリアについて学んできました。
「3Mプロジェクト」は1学期からスタートし、次のように構成されています。
【目的】
- 多様な大人と触れ合うことで、将来の選択肢を広げる
- 社会との関わりを通して、自分の未来に希望をもつ
【構成】
- 1年間で多様な職業の人と対話する
- グループでプロジェクトを実施する
1日のスケジュール
3月1日に開催されたイベントでは、子供たちとアーティストがペアを組み、一緒に画用紙に人生設計を表現するところからスタート。子供たちは自分の夢や将来のビジョンをアーティストと共有し、それをもとに創作活動を行いました。
完成した作品は、最後に全員で鑑賞し、互いに感想を交わしました。
<子どもたちの感想>
「またこういう絵も描いてみたいし、将来にも繋がると思った」
「パステルでぼかす表現が出来たことが嬉しかった」
「一緒に分担して作業が出来て楽しかったし、また機会があればやってみたい」
<アーティストの感想>
「今日出会えたことに感謝している。これからの人生辛いことも沢山出てくると思うが、この絵を見て励みになって欲しい」
「子供の中に構想があったのでそれを纏める感じでした。やりたいことは全部やりたいという部分があり、全部叶えられることを伝えた」
板橋第十小学校の想い
板橋第十小学校では、下記のような想いを持ってここまで学習を進めてきました。
「皆さんは1年間で多くの大人と出会い、人生設計を考えてきました。今日の作品は、その人生設計を表したものです。社会にはあなた達を守ってくれる大人がたくさんいます。この作品を見返し、勇気を持って人生を歩んでいってください」
1年間という長期に渡るこの取り組みの実施は、簡単なことではなかったと、小泉教員は語ります。ボランティアスタッフの集客や運営面での苦労があったといいます。
文部科学省では、9歳以降の子どもに対して「実社会への興味・関心を持つきっかけづくり」の重要性を唱えていて、小学4年生を対象とした今回の取り組みは、子ども達が豊かな人生を切り拓いていく一助となったことでしょう。
まとめ
板橋第十小学校で開催されたこのイベントは、子どもたちにとって大人と共に自分の未来を描く貴重な経験となりました。アーティストとの対話を通じて、子供たちは自分の人生設計を具体的に表現する機会を得ることができ、将来に向けての希望が膨らんだことでしょう。今回の取り組みは、教育の現場においても大きな影響を与えることが期待されます。
このような取り組みを通じて、子ども達が勇気をもって人生を歩んでいくための学習機会が増えていくことを願っています。
取材:岩根 央 記事:Rico