
福井矯正展は、福井刑務所が主催する年に一度の一般公開イベントで、刑務所内で行われている作業や矯正行政の取り組みを地域住民に紹介し、理解を深めてもらうことを目的としています。令和7年(2025年)の福井矯正展は記念すべき第40回を迎え、9月27日(土)に盛大に開催されました。
この矯正展は、福井刑務所内の見学会や全国様々な刑務所の刑務作業品の展示・販売、地域の方々によるステージイベント、子ども向け体験コーナーなど、多彩な内容が企画されており、普段は立ち入ることのできない刑務所内部を知る機会です。
<目次>
福井刑務所の基本情報

福井刑務所は、名古屋矯正管区に属する「日本一小さな刑務所」 として知られています。福井市一本木町にあり、県庁所在地である福井市の中心エリアに位置しています。定員は450人程度、2025年9月27日時点では336人が収容されていました。
敷地面積は約4万3,000平方メートル、東京ドームよりも小規模で、福井県民に馴染み深いコンサートホール「サンドーム福井」の3個分と紹介されることもあります。福井刑務所は足羽川に沿うように位置しており、毎年8月に多くの県民が集う「福井フェニックス花火」が施設の間近で開催されているのも特徴です。
収容対象は「26歳以上、犯罪傾向の進んでいない男子受刑者」が中心。刑務作業として花台・畳へり製品・まな板・革製品などを製作しています。現在20代~90代と広い年齢層の受刑者等が生活しており、生活改善の観点から受刑者が暮らす居室ではエアコンが設置されました。
福井刑務所では職業訓練(総合訓練)制度が導入されており、溶接・電気通信設備・内装施工・農業園芸・配管などの科目で訓練を実施しています。出所後の生活を支える資格取得も可能であり、受刑者の更生を支える大切な施設です。
開場30分前には200人近い長蛇の列

福井矯正展は例年人気がありますが、本年もすでに開場30分前には200人近い来場者が行列を作っていました。列に並んでいた60代の女性にインタビューすると「近くに暮らしていて毎年楽しみにしている、飲食店も多くて賑やかだから」と笑顔で話してくれました。
開幕式は福井刑務所の矯正処遇調査官・白岩眞一さんによる挨拶からスタート。「地域の方々のご協力に深く感謝している、今年始まった拘禁刑への理解を深める機会につながるように工夫している」と述べ、オープニングカットとともに晴れやかにスタートしました。
開場後まもなく、施設見学会の整理券が配布されると、来場者たちは一斉に列を作り求める姿も。毎年人気の高い企画だけに、配布開始から間もなく整理券はほぼ埋まるほどの盛況ぶりでした。
福井刑務所の施設見学会とは

福井矯正展の見どころのひとつが、普段は足を踏み入れることのできない福井刑務所の施設見学会です。施設見学会は、各回30人程度で午前・午後の2回実施され、刑務官の案内に従いながら施設内をツアー形式で回ります。
例年家族連れを中心に高い人気を集めるイベントで、整理券配布が早い段階で終了することが多いとのこと。担当刑務官によると、毎年見学コースは変更しており、リピーターの方々のためにも昨年とまったく同じにならないように工夫しているそうです。
なお、見学会の様子は撮影厳禁となっていましたが、本年の見学会では受刑者が実際に食べている食事内容の展示や、作業場での点呼体験など、充実したプログラムが用意されていました。
筆者も一般参加者として参加しましたが、約30分にわたり入浴施設や洗濯場、運動スペースなども見学できました。塀の高さや米と麦の割合、作業内容などを案内役の刑務官がわかりやすく説明しており、見学会の終わりには参加者からの質問タイムも設けられていました。

地域の方々による多彩な出店や充実したイベント

福井矯正展では、例年地元の私立高校による吹奏楽部や和太鼓、ダンスが披露されています。来場者の中には多くの学生も見られました。
本年は福井アカペラサークルや木田マーチングクラブも参加。午前・午後とも賑やかなパフォーマンスが続き、食事や展示品の買い物を楽しみながらステージを鑑賞する様子も印象的でした。
販売コーナーでは毎年参加している更生保護女性連盟によるバザーや野菜販売、地域のキッチンカーも参加し、多くの来場者で賑わっていました。

「刑務官の仕事をもっと身近に」という思いから実施されている「ちびっこ刑務官コーナー」も、制服が着用できるため多くの家族連れに大盛況だった様子。刑務官の制服体験をした小学生は「去年も体験したけど楽しかった、刑務官になりたい」と笑顔でした。
その他、親子連れが塗り絵体験を楽しむ姿も見受けられ、会場全体が和やかな空気に包まれていました。

毎年好評の車両展示コーナー!今年はNECXO中日本が初参加

福井矯正展が毎年人気の理由の1つには、子ども向けのイベントが充実していることも挙げられます。例年人気の警察車両や消防車両は今年も展示されていました。今年はNEXCO中日本の作業車が初参加しており、にぎわいを見せていました。場内では、更生保護キャラクター「ほごちゃん」や海上保安庁の「うみまる」も登場し、子どもたちに大人気でした。
日本一小さい刑務所だからできる、アットホームな矯正展を通して

全国の刑務所の中でも収容定員が少なく、「日本一小さい刑務所」として知られている福井刑務所。その規模ゆえに地域住民との距離が近く、矯正展も大規模なイベントとは一味違った、温かみのある雰囲気が特徴的です。
規模こそ小さいものの、その分、来場者と刑務所職員の距離が非常に近いことが大きな魅力です。見学会では刑務官が一人ひとりの質問に丁寧に答えているだけではなく、受刑者作業品の作業内容や暮らしの様子まで直接説明を受けられる場面もありました。
ステージや体験ブースも地元団体や学生が中心で「地域の文化祭」のような親しみやすさが漂っています。見学できるエリアや展示内容も凝縮されており、初めて来た人でも全体像を把握しやすい点も魅力的。大規模矯正展が「社会科見学のテーマパーク」的であるならば、福井矯正展は「地域に開かれた等身大の刑務所」を実感できる場だといえるでしょう。
来場集計を担当した福井刑務所職員によると、今年の来場者は昨年を上回る2,000人を超える大盛況でした。
福井矯正展は、地域の方々に矯正行政への理解を深めてもらうことを目的とし、普段は立ち入ることのできない刑務所内部の見学もできる特別なイベント。毎年家族連れにも人気の体験コーナーや飲食ブースも用意され、幅広い世代が楽しめる貴重な機会となっています。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
福井刑務所の基本情報
最寄駅はハピライン福井(旧JR線)福井駅。
所在地
福井県福井市一本木町52
交通手段
福井駅西口広場よりコミュニティバスすまいる「南ルート木田・板垣」に乗車し、「春日1丁目」下車後、徒歩5分です。北陸自動車道福井インターの場合、車で約15分です。
TEL 0776(36)3220(代表)
FAX 0776(34)9068(代表)
福井刑務所
https://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei05_00054.html
※福井刑務所に展示場はありません








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