BYD、EV販売でテスラ抜き世界首位に 2025年は前年比約28%増

BYD、EV販売でテスラ抜き世界首位に 2025年は前年比約28%増

BYDが1日に発表した2025年のEV販売台数は前年比27.9%増の225万6714台で、米テスラの163万6129台を大きく上回りました。世界のEV市場で新たな勢力図が形成されつつあります。

BYDは広東省深圳市に拠点を置く民営企業です。技術的に強みを持つEVとプラグインハイブリッド車(PHV)に経営資源を集中させる戦略で、2020年代にかけて販売台数を急速に伸ばしてきました。特に独自開発の「ブレードバッテリー」は、安全性と性能の両面で優れた評価を得ています。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用することで製造コストを抑えながら高い熱安定性を実現しました。

2025年のBYD全体の世界販売台数は前年比7.7%増の460万2436台で、EVとPHVを合わせた新エネルギー車の販売目標を達成しています。内訳をみると、PHVが228万8709台(前年比7.9%減)となり、EVは大幅に伸長しました。

海外展開も順調で、2025年の海外販売台数は100万台を突破し、輸出比率は約2割に達する見通しです。タイ、ブラジル、オーストラリアなどで一様に販売を伸ばしており、グローバル化戦略が成果を上げています。

一方、テスラの2025年世界販売台数は前年比8.5%減となり、2年連続の前年割れとなりました。イーロン・マスクCEOの政治活動への反発から、米国を中心に広がった不買運動が響いたとみられます。

こうした状況を受け、テスラは巻き返しに向け2025年10月に廉価版の「Model Y Standard」「Model 3 Standard」を発表しました。これらの新モデルは従来モデルよりも約5000ドル安く設定され、より手頃な価格で提供されています。

BYDの躍進により、世界のEV市場における競争はさらに激化することが予想されます。日本の自動車メーカーにとっても、EVシフトへの対応がこれまで以上に重要な課題となるでしょう。

BYDの技術優位性が市場をリード

BYDの成功の背景には、車載バッテリーの自社生産体制があります。 同社は世界でも数少ない、バッテリーの開発から製造までを一貫して行う企業です。 2018年には青海省で24GWhの電池工場が操業を開始し、2019年の完成後には世界最大級の規模となりました。

ブレードバッテリーは、従来のバッテリーよりも空間利用率を50%以上向上させ、航続距離を大幅に延ばすことに成功。2025年3月には超急速充電に対応した第二世代ブレードバッテリー搭載の新プラットフォームを発表し、5分間で約400km分の充電を可能にするなど、技術革新を続けています。

こうした革新技術とコスト競争力を武器に、BYDは今後も世界市場でのシェア拡大を目指しています。一方、テスラは廉価版モデルの投入により、失地回復を狙う方針です。EV市場の覇権を巡る両社の競争は、2026年以降も目が離せない展開となるでしょう。

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