
FacebookやInstagramを運営するIT大手のMeta(旧Facebook社)が、投資詐欺の温床となっているとして、被害者から損害賠償を求められる事態となっています。
10月29日、「SNS型投資詐欺」の被害者約30人がMetaと日本法人を相手取り、全国5地裁に一斉提訴しました。原告側代理人によると、請求総額は約4億3,500万円に上るとのことです。
原告らは、Metaが運営するSNSで、ZOZO創業者の前澤友作氏や実業家の堀江貴文氏などになりすました偽の投資広告を見て、LINEに誘導され、現金を振り込んでしまったと主張しています。
Metaに対しては、広告内容の真偽を確認する責任を怠ったとして賠償を求めているのです。一方、Metaは神戸地裁で進行中の同種訴訟において、「日本の法令上、投資広告の内容について真実性の調査・確認をする義務はない」と反論しています。
今回の提訴について、Metaは個別の訴訟にはコメントを控えつつ、「詐欺広告に対する取り組みを強化し、あらゆる角度から踏み込んだ対策・措置を講じている」と述べました。
SNSを舞台にした投資詐欺は後を絶たず、プラットフォームを提供するIT企業の責任が問われる事態となっています。被害の拡大を防ぐために、法的整備を含めた抜本的な対策が求められます。
ネット上では、「現実問題難しい裁判になりそうだな」「あまりにもひどい。メタ社と詐欺の会社が儲かるだけ」「年寄りは本当に騙されるからな」などの意見が寄せられています。
原告側弁護団「問題広告の排除は社会的責任だ」
原告側弁護団の国府泰道弁護士は記者会見で、「Meta社は広告から多額の収益を得ており、問題広告の排除は社会的責任だ」と訴えました。被害者の中には、被害額が1億円を超えるケースもあるといいます。
原告側は、「他社はチェックできているのにMetaはできていない」と主張しています。2023年夏頃には、前澤友作氏らがMetaに自身の名前の不正利用を指摘していたとして、民法上の注意義務違反を訴えました。
今後も追加提訴に対応するとともに、政府にも事業者への法規制を求めていく方針です。Metaによる偽広告対策が問われる中、被害者救済と再発防止に向けた動きが加速しそうです。