新興企業ニューラリンクの創設者であるイーロン・マスク氏は2月19日夜、人間の脳内に超小型デバイスを埋め込む革新的な臨床試験について、被験者は思考によってマウスを動かせるようになったと発表しました。
イーロン・マスク氏はX(旧Twitter)のスペースイベントで、「経過は良好で被験者は完全に回復したようだ。考えるだけでマウスを画面上で動かすことができる」と発言しました。また、被験者からできるだけ多くのマウスボタンのクリックを得ようとしていることも語っています。
ニューラリンクによる治験の目標は、手術ロボットを使用して脳に埋め込まれたインタフェースを通じて、脳とコンピューターをワイヤレスで接続し、考えるだけでコンピューターのカーソルやキーボードを制御できるようにすることです。この技術は、将来的に障害を持つ人々の生活を劇的に改善する可能性を秘めています。
ネット上では、「なんかSFの世界みたい」「ともかく昔のSFにしかなかったものが現実に出来る様になったのは素晴らしい技術だね」「これがあたり前になると、遠い将来手足が退化して無くなるんだろうな」などの意見が寄せられています。
ニューラリンクの進捗情報が不足 アップデートはSNSで発表
今回、イーロン・マスク氏によるXのスペースイベントでニューラリンクの最新成果が語られました。しかし、ニューラリンクの進捗については情報が少なく、公式なアップデートは主にイーロン・マスク氏からの短いSNS投稿で行われています。
2023年5月には米食品医薬品局(FDA)からの認可を受け、「Telepathy(テレパシー)」と名付けられたデバイスの被験者募集を開始しました。2024年1月、イーロン・マスク氏は人間へのインプラント開始と初期の成功を発表しています。
「ニューロンのスパイク検出に関して幸先いいスタートを切った」と発言。ニューラリンクは、脳とコンピューターを直接接続するブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)の開発を進めており、体が麻痺した人々が単に考えるだけでコンピューターの操作が可能になることを目指しています。
BCIを開発しているスタンフォード大学のポール・ヌユジュキアン助教授によれば、脳に埋め込むタイプのBCIは迅速に信号を拾えるため、手術から数週間での操作成功は「まったく不思議ではない」とのことです。これらの進展は、ニューラリンクが目指す未来、すなわち人間と人工知能の一体化への重要な一歩を示しています。